JCOMのMVNOはガラホと自社動画サイト見放題で料金以上の付加価値を持った次世代のMVNOに

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J:COMが新規事業としてMVNOに参入します。

J:COM MOBILEとして、KDDI網の格安スマホ・格安ガラホセットと、docomo網を利用した格安SIMの提供を行います。

今回のJ:COMの参入は、MVNOの新たな転換点となる可能性を含んでおり、今後のMVNOサービスの在り方に多様性をもたらしてくれるかもしれません。

J:COM MOBILEのその概要について説明していきましょう。

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契約の内容

JCOMでは2つの回線網を利用した格安SIMサービスを展開します。docomo網とKDDI網という2つのMVNOです。

この2つの回線網をMVNOとして切り分けて再販するわけですが、その契約の仕方はそれぞれ全く異なります。

docomo網のMVNOでは、格安SIMのみの契約が可能になっています。スマホとのセット販売はありません。また、このMVNO自体他社のMVNOから回線設備を借り受けて運営(いわゆるMVNE元となるMVNOがある)する形のため、自社の設備を使ったMVNOではありません。MVNE元となるのは資料から読み解く限りIIJmioが濃厚です。

IIJmioをMVNE元にしたMVNOは複数存在し、その中に常に格安SIMとして最安値を維持しているDMM mobileもあるため、あまり魅力のない回線になるかもしれません。以下が契約の詳細です。

J:COM MOBILE SIMカードのみの契約「ケーブルスマホ」

  • 3GB/900円、音声通話+700円
  • 低速時200kbps
  • 追加パケット100MB/200円
  • 500円/月で一部地域における出張サポート
  • J:COMオンデマンドの通信量カウントなしは適用されず

 

もう一つ提供するのはKDDI網のMVNOですが、これは自社が提供するものとなり、au系のMVNOとしてはmineoがMVNE元となる地方のMVNOを除いては、mineo、UQ mobileについで3つ目のau系MVNOとなります。

ただしこちらのSIMはその他のMVNOとは違って、SIM単体での契約は出来ません。発表段階の契約プランでは必ず端末とのセットで契約しないといけなくなっています。SIM単体で契約できるJCOMのMVNOはdocomo回線のみとなっています。

契約端末は2つです。一つはフィーチャーフォン型のAndroidケータイ、いわゆる「ガラホ」です。LGのWine Smartが技適を通過した時にはどこのキャリアが発売するのかと思ったら、まさかのJCOM専用端末として発売されます。Wi-Fi対応、VoLTE対応、Play Store対応という、これまでキャリアガラホに足りなかったものを全部入れてきた国内では最も機能性の高いガラホになっています。惜しむらくはこれがJ:COM専用端末ということでしょう。

もう一つはタブレットです。LG G Pad 8です。結構価格は安いですが、解像度が高いので映像系のコンテンツに合うでしょう。

これら2ついずれかの端末とセットになることで、KDDI網の回線を契約することができます。端末セットではauスマートバリューのような仕組みを用意し、JCOMのテレビまたはネットサービスに加入した人が契約をした場合は、割引が追加されて各端末が実質0円で契約できるようになっています。

詳しい料金や端末価格についてをまとめました。

 

J:COM MOBILE 端末セット

LGガラホ「LG Wine Smart LGS01」

  • 音声通話+3GB/月のデータ通信量込みで2980円のSIM契約
  • 端末代は33000円(1375円×24回払い)
  • 端末代はJ:COMの既存サービス「J:COM TV」もしくは「J:COM NET」に加入している場合、同一金額を割り引くため実質無料に(2016年1月11日までに契約した場合のみ)
  • J:COMオンデマンドアプリのデータ通信量はカウントされず、常時J:COMの動画配信サービスを楽しめる
  • 規制後は200kbps

 

J:COM MOBILE 端末セット

LGタブレット「LG G Pad 8.0 L Edition」

  • 「J:COM TV」もしくは「J:COM NET」加入者のためのwith タブレットオプション機種
  • 端末代は26400円(1100円×24回払い)も、「J:COM TV」「J:COM NET」「J:COM PHONE」加入者なら実質0円となる割引あり
  • SIM契約のプランは月額980円。データ通信のみでデータ通信量は1GB
  • J:COMオンデマンドアプリのデータ通信量はカウントされず、動画サービスを大画面で楽しめる

 

J:COMの動画サービスは通信量の対象外

料金プラン、それにデータ通信量にも特に特徴はなく、端末ぐらいしか目を惹くものはありません。これだけだと新興のMVNOとしてもインパクトは非常に弱く、特に紹介するまでもない格安SIMなのですが、J:COM MOBILEはこれだけでは終わらず、自社のサービスと連動させ、料金競争で疲弊し始めている印象のある格安SIM界にサービス提供者として新たな一石を投じる付加価値を用意しています。

それは「KDDI網を利用したJ:COM MOBILE回線は、同社のVOD(ビデオオンデマンド)サービスである「J:COMオンデマンドアプリ」を利用した動画ストリーミング等利用時のデータ通信量をカウントしない」というものです。

別事業を行う企業がMVNOサービスに参入してくることはこれまでも何社も出てきていましたが、大したサービスの連携はされていませんでした。良くて楽天モバイルあたりのポイント倍増やU-NEXTの音楽配信ぐらいで、自社サービスを格安SIMとうまく連携させた例というのは見当たりませんでした。

今回のJ:COM MOBILEでは動画配信サービスを持つ企業がMVNOの回線で自社の動画サービスを見放題に出来るという、これまで多くのユーザーが待ち望んでいた料金や通信量以外にサービスの充実した格安SIMが提供されることになります。U-NEXTがUSENの音楽聞き放題プランを提供していますが、それよりも安く便利さもあるサービスになっており、今現在のMVNOサービスの中では最も付加価値の高いサービスになるでしょう。

 

料金以外で勝負し始める

このサービスはdocomo系MVNOのJ:COM MOBILEプランでは適用されません。端末セットで契約できるau系MVNOのプランでのみ適用されます。他社MVNOの回線を使ったdocomo系プランでは自社サービスへの通信状態というのを制御出来ないのでしょう。

このように使えるSIMや契約は限られるものの、J:COMの配信コンテンツをデータ通信量気にせずに使える格安SIMの回線が出てきたことはうれしい内容でしょう。今のところ適しているサイズとしては8インチタブのみしかありませんが、2016年にはスマートフォンや10インチタブレット、それも防水仕様のものを追加ラインナップに投入し、より動画サービスを様々なシーンで活用できるようになりそうです。

昨今のMVNO格安SIMは、主に料金の面で過剰すぎる競争が起き始めており、品質やサービスといった部分へ手をつける事業者がわずかしかありませんでした。今回のJ:COMの参入の仕方は、料金や容量を追求しているMVNO各社に対して、新たな道としての付加価値サービスの提供というものを提示してくれていると思います。

どうかこのJ:COM MOBILEのサービス内容が業界全体にカンフル剤となって、付加価値に重きを置いたサービスが充実してくれることを願います。

 

会社はUQ mobileと同じ形態

さて肝心のこのJ:COM MOBILEのMVNO格安SIM自体の期待値についていろいろと開示されている中で考えてみましょう。

まずdocomo系MVNOについては、他社のMVNOから又貸しを受けているということで、そのMVNE元の品質次第ということになるため、J:COM MOBILEとしての実力は測れないでしょう。資料ではIIJmioのような気もしますが、それでしたらばある程度速度や品質というものは予想できます。

恐らくメインとなるのはセット販売でしか契約できないものの、L2接続で自社MVNOとして運営するKDDI網を利用した回線のほうでしょう。こちらはJCOM MOBILEの実力が如何ほどかというのが試されるかと思います。

この点についてある程度予想という形にはなるのですが、J:COM MOBILEの性質が、同じau系MVNOを扱うUQ mobileと似ていることから、品質という部分では一定の安定感を持って運営されることが期待されます。

UQ mobileと何が似ているかというと、JCOMは100%KDDI出資の子会社という点です。UQ mobileは前運営企業のKDDIバリューイネイブラーや現在の運営企業のUQ WiMAXもKDDIの子会社となっていますが、JCOMもそれと全く形は同じです。

KDDIの子会社が運営することによってどんな回線品質が予想されるかというと、UQ mobileが見せているようなMVNOなのに速度や回線の安定感がMNO回線並みの品質を見せ、裏で明らかに優遇されているような通信の挙動が期待出来ます。mineoがau系のMVNOからdocomo系のMVNOを新たに始めたに理由も、ある程度このUQ mobileがKDDIから優遇されているという点に危機感を持ったからでしょう。

UQ mobileの優遇についてはあくまでも状況証拠的なものしかないものの、これまでのMVNOとしてはあり得ないぐらい速度が落ちない仕様を見るに、限りなく優遇に近いことがされているでしょう。それを今回のJ:COM MOBILEでも、UQ mobileと会社の形態が同じということからも品質として予想されます。

今回、KDDI網の回線で自社の動画サービスにデータ容量をカウントしないという手法も、ある程度au回線は速度や設備の面で優遇され、安定した通信が可能であることから実施できたサービスとして見れるかもしれません。

このため、少しでもこのJ:COM MOBILEに興味があるという人にとっては、割と安心して契約できる可能性のあるMVNO事業者になりそうです。J:COMに加入している人は前向きに考えてみても良い格安SIMです(au系MVNOに限る)。

 

まとめ:付加価値を押し出し始めたMVNOの登場に期待

これまで付加価値のあるサービスをMVNOとして提供してきた格安SIMは、楽天のポイント連携やUNEXTの音楽聞き放題SIMぐらいしかありませんでしたが、今回のJCOM MOBILEの内容はそれに次ぐ形でしかも動画サービスという需要の高くなっているサービスとの連携で実用性は高いでしょう。

このJ:COM MOBILEがきっかけになるかはわかりませんが、今後はMVNOでも料金プランに過度に依存した競争体制を修正し、こうした付加価値を追い求めていく流れになっていってくれると、MVNO業界が消耗せずに長く支持される環境を作れるのではないでしょうか。ユーザーも安さだけでなくサービスについても目を向けれるようにして、評価軸をズラしていきたいものです。

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