「通信の最適化」、3キャリアと11社のMVNOで適用実態を調べてみた

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何やら1年ぶりぐらいに話題になっている「通信の最適化」問題。過去にはSoftBankや日本通信が最適化の筆頭でしたが、2015年初めにdocomoでも適用開始、auでもそれ以前から始まっており、通信事業者間で広く適用されるようになりました。

過去に問題視されていた点は動画と画像の劣化ぐらいでしたが、最近の最適化ではゲームアプリの起動や更新が出来ないなどの実害が新たに加わり、より一般的な問題へと無事昇華し炎上を始めています。

快適な通信環境を確保するために画像や動画のファイルに対して”最適”な処理を施すこの仕様、「最適」なんて言葉がついていて良いイメージも一瞬は湧きますが、実際にはファイルサイズの「圧縮」からの「劣化」を引き起こし、例えば画像ファイルをダウンロードした際に本来のオリジナルファイルが高画質で綺麗な画像だったとしても、”最適化”を通すことで画質が大幅に劣化して美しさのかけらもない画像になってしまう可能性があります。

更に「通信の最適化」はどうやら通信の秘密の権利を侵害し、画像圧縮が窃用にあたるという問題も騒がれており、ガジェット好き以外にも法律方面の人々へ炎上を続けています。

 

方々で通信の最適化問題が話題になる中で、今回は有志による「通信の最適化」が行われているのかどうかを調べるサイトも出てきており、追及の手もより強力になってきているようです。

今回はこれらの通信の最適化確認サイトを元に、手持ちの回線で「通信の最適化」を適用しているキャリア、あるいはMVNOというものがどれだけあるのかという点を調べてみたいと思います。無駄にフラット回線を複数契約しているので、この機会にしっかり経費に落とせるような実績を残しておこうと思います。

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通信の最適化確認サイトについて

今現在有志の方が作ってくれた通信の最適化確認サイトについては2種類確認できています。

通信の最適化を確認するやつ」と「通信の最低^H^H最適化の確認」です。自分で調べるのにはあまりに面倒な通信の最適化について、異なる画像ファイルを用いてサイトにアクセスするだけで最適化の有無を判定してくれます。

今回の検証はこの2つの最適化確認サイトを使って、手持ち回線の最適化の適用状況を調べてみたいと思います。

一応注意として書いておきますが、今回の検証結果はこれらのサイトを用いた場合での結果であり、その他異なる条件下ではまた別の結果になる可能性もありますので、あくまでも参考情報として捉えていただければと思います。

 

確認に用いた回線及び環境

確認には以下の回線を使用。Chromeのデータセーバーをオフにしてそれぞれのサイトへアクセスして状況を確認しています。

  • ドコモ回線
  • au回線
  • Softbank回線(Android)
  • IIJ
  • OCNモバイルONE
  • NifMo
  • BIGLOBE LTE・3G
  • 楽天モバイル
  • Panasonic WonderLink
  • b-mobile(無制限)
  • U-mobile(無制限)
  • ぷららモバイルLTE(無制限)
  • mineo
  • UQ mobile

確認はMVNOが20時ごろから。キャリアは規制が強くなりそうな21時からそれぞれ確認をしています。結果は以下の通りです。

回線 最適化の有無 最適化の内容
ドコモ なし
au なし
Softbank なし
IIJmio なし
OCNモバイルONE なし
NifMo なし
BIGLOBE 有り 最小サイズの画像でファイルサイズが減少
楽天モバイル なし
WonderLink なし
b-mobile 有り ファイルサイズは同一。MD5情報が変更。3491KBサイズで確認
U-mobile 有り ファイルサイズは同一。MD5情報が変更。3491KB&4778KBサイズで確認
ぷららモバイルLTE 有り ファイルサイズは同一。MD5情報が変更。httpsの856KBサイズで確認
mineo なし
UQ mobile なし

2つのサイトで調べた結果、キャリア回線は一切このサイトで引っかかることはありませんでした。引っかかったのは4社のMVNO、その内明確な画像の劣化が確認できたのは1社のみという結果になりました。

まずはキャリアの話題から入りましょう。この通信の最適化問題を再燃させたSoftbankは、本来ならば今回の検証によって画像ファイルの劣化及びExif情報の消失といった現象が起きると考えられましたが、どうやら現在はこの通信の最適化については適用を行っていないようなのです。これは通信の最適化について調べている方がTwitterでその報告をしています。

実際今回の結果でも画像ファイルの劣化や変更などは一切生じていません。auやdocomoについても同様です。キャリア回線については通信の最適化を行うとしながらも、現在一時的に適用をしていないSoftbankを除いて、docomoやauではかなり限定的な運用に留まっているのではないでしょうか。

 

MVNOもさほど厳格な運用はしていないのかもしれません。かつては通信の最適化を真っ先に始めていたb-mobileも、調査では引っかかったもののファイルサイズは100%一致、違うのはMD5情報のみです。ぷららモバイルLTEやU-mobileも、ファイルサイズの変更やExif情報の変更もなく、どれもMD5情報の変化だけになっています。ぷららに関してはhttpsで変化が見られたのがちょっと謎すぎる結果ですが、技術的なことがわからないのでここでは深入りしません。

一方でBIGLOBE LTE・3Gではファイルサイズの変更がはっきりと示されました。基準となるファイルサイズは不明確ですが、唯一このMVNOだけが問題視されている「通信の最適化」の中でもファイルサイズの変換という影響が大きい内容をはっきりと実施していると言えるでしょう。

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この他にUQ mobileが通信の最適化を実施していると「かえざくらのつぶやき」さんの問い合わせでわかっているのですが、今回調べた限りではその兆候は一切見られませんでした。もしかしたら全体の通信状況の他にも画像ファイルの数などの諸条件によって発動するようになっているのかもしれません。

UQ(WiMAX/mobile)は「通信の最適化」を行っているのか?問い合わせてみた。 | かえざくらのつぶやき

Softbankが通信の最適化を今のところ非適用としていることで、面白い結果にはならなくなってしまいました。

 

動画の劣化状況の比較

とりあえず2つの通信の最適化検証サイトを使った現在の最適化適用状況については以上のようになっています。

この他にも通信の最適化現象について、動画サイトへの接続を通じて画質の劣化があるかということを検証してみましたのでそれも参考にしてみたいと思います。

動画サイトだとYouTubeが一番有名ですが、YouTubeは「https」による通信となるため、ファイルサイズの改ざんをしている可能性はかなり低いと見られます。よくSoftbankのYouTubeの画質が悪いと言われますが、確かにSoftbankの回線で通信すると、自動的にYouTube側で画質が144pのものにされ、字幕も読めないぐらいの低画質にされます。

しかしこれはSoftbankで通信の最適化がされていると捉えるよりも、YouTube側がSoftbank回線の速度などを感知して画質を自動的に下げているだけのことで、手動で480pなどに固定してもLTE回線なら普通に読み込み、画質も良い状態のまま視聴できます。これはMVNOなどでも同様で、速度の遅い回線は自動的に最低画質になっていきます。

なので動画の劣化の確認はYouTubeでの実験ではなく、「https」じゃないデイリーモーションへの接続で試してみました。画質は自動ではなく手動モードに固定し、それぞれのキャリアとMVNOで動画のワンシーンの文字を比較したいと思います。

全てFull HDの解像度のスマホでスクリーンショットを取りましたが、唯一docomoの通常回線がiPhoneのSIMで、他のAndroidスマホに流用できなかったため、docomoの回線は検証外です。

saitekika

元画像

これらを見るとどれも動画でも通信の最適化の影響はあったとしても薄いものだというのがわかります。というかほぼわかりません。そこまで大きな影響というのはありませんでした。ただSoftbankの回線の文字を見てみると、文字の輪郭が荒くなっていることがわかり、画質の劣化があると言えるかもしれません。

しかし動画に関しても画像と同様に特定条件下での限定的な程度でしか今は通信の最適化は行われていないのかもしれません。特にSoftBankの回線は、昔荒かったニコニコ動画の公式アニメ動画も今やハッキリと綺麗に映るため、今回の騒ぎで確実に通信の最適化を大幅に解除しているのが感じられます。

 

まとめ:Softbank以外は普通の人は神経質にならなくてもいい結果

少なくとも今回の2サイトで検証した結果では、言われていたExif情報の消去やファイルサイズの極端な変化というのはBIGLOBE以外ではでてきませんでした。

動画については検証方法や動画ファイルの形態によってまた異なる結果も出る可能性はありますが、少なくとも炎上したSoftBankの通信の最適化が収まっている現時点においては、騒がれているほどの影響というのは無いのではないかというのが今回の検証からの個人的な感想です。

実際SoftBank以外の回線でどれだけ非可逆圧縮されたりExif情報が消えたりといった「被害」がでたのか、その具体的な内容をほとんど目にする事なく批判が高まっているように感じます。少なくともこれまでのSoftBank、そして今回変化の見られたMVNO4つ以外は、かなり限定的な適用をしているようにも思えますので、普通の人はそこまで神経質になる必要は少なそうです。

もちろんSoftBankが過去にExif情報含めて画像に手を加えていた事、そもそもその通信の最適化を解除できない仕様は通信の秘密を侵害する事になるため批判をしていくことは必要だと思いますが、そうしたことへの批判は専門的な人に任せて普通の人は本当に気にせずにこれまで通り回線を使っていけば良いのではないでしょうか。SoftBank回線を使っている人はこの後また最適化が復活する危険性への注意は必要ですが。

 

というわけで話題になっている通信の最適化について有志の方々のサイトや動画サイトなどを使って適用状況を確認してみました。何かその他の確認方法について指摘等ありましたらお願いします。

2 件のコメント

  • 有用な調査ありがとうとございます。当方、BIGLOBE LTE・3Gを使っていますが、WEBページのJPEG画像は盛大に劣化しており、もはや見るに堪えないレベルです。時間帯に関係なく常にやられているように思えます。最適化をOFFにするオプションもないので、IIJmioとかに変える予定です。

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