災害時のMVNO格安SIMの通信通話状態はどうなるのか

saigai

コストを切り詰め、データ通信量も通常よりも少ない、そして環境次第では速度が急低下してしまう格安SIM。

MVNO格安SIMの速度はどういう状況下で速くなり遅くなるのか、状況・MVNOの種類によって違いがある | 脱携帯キャリア宣言

メリットも確かにあるものの、デメリットもその分キャリア回線に比べると存在しているのが特徴と言えます。

ただ平時ではこうしたデメリットも単にちょっと使いにくいというだけで、あまり気にならない問題かもしれません。少し扱いが良くなくても、それで通常8000円近くするキャリア回線と比較すれば、通信費を節約出来る大きな手段となることは確かなはずです。

毎月の携帯料金を考えれば、ちょっとした規制の強さや制限の多さも料金の比を考えれば、我慢出来る問題かもしれません。ですがこれはあくまでもこの世の中が平時であることが前提です。

3.11の東日本大震災を始め、もしも非常時の環境に置かれた場合、コストを切り詰めて環境次第では低速になってしまう格安SIMは、一体どうなってしまうのでしょうか。どの程度通信をすることが出来て、どの程度電話が出来るのかについて考察を交えてMVNOの対応状況を紹介したいと思います。

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データ通信速度は遅くなる可能性

まず最初に言っておきたいのが、災害が発生した時に実際のdocomo側の対応というのがわかっていないので、場合によってはdocomoが全ての制限を解除して、MVNOもキャリア回線のように使える可能性があるということです。今回はMVNOが受けている制限を元に災害時の状態を考察してみますが、docomo側の対応によっては全く違う結果になることもあるので、そこはあくまで仮説として受け取ってもらえればと思います。

まず災害時に考えられるのは、データ通信はまず繋がりにくく、繋がったとしても非常に遅くなってしまう可能性が高いです。

通信帯域が限られていて、お昼休みの最も利用されやすい時間帯で一気に帯域が圧迫されてしまうMVNOでは、災害発生から数時間の間はお昼休み以上の集中的な利用が続くことでしょう。そうなると平時でさえアクセスが集中すると速度が遅くなってしまう格安SIMでは、地震や各種大規模災害では帯域が圧迫されて超低速回線、あるいはそもそも繋がらないなんてこともあるかもしれません。

広範囲に大規模な地震や複数県でまたがる障害が発生するようなことがあれば、そもそもキャリア回線もパンクしてしまうため、MVNOの又借り回線では期待できるレベルで通信することは難しいでしょう。

災害時にはキャリア回線を利用した通信がそもそも不通になってしまう可能性も多く、その影響下にあるMVNOも繋がりにくくなるというのは想像しやすいことでしょう。

 

電話回線はMNOと同列視されるため、空き状況次第では普通に通話可能に

データ通信を見てみると、キャリア(MNO)からの又借し回線となるため、キャリア回線以上に繋がりにくい状況というのが想像されることでは有りますが、これが音声通話付きの回線で通話をしようとした場合は内容が少し異なってきます。

データ通信はキャリアから借りている帯域になるため、序列的にはキャリア回線の下に位置するのが格安SIMのデータ回線です。MNOとMVNOの両方の通信環境の影響をうけるため、通常のキャリア回線(MNO)よりも規制や制限が強くて勝手が違います。

一方で音声通話回線(080や090の電話番号)は、キャリアとMVNOという序列的な関係が殆ど無く、MVNO登録のdocomo電話回線として認識されるため、災害時に電話回線がパンクがちになったとしてもMVNOだからという理由で後回しにされることはないそうです(IIJmioの説明による)。

ですからデータ回線ではキャリア回線よりもMVNOのほうが繋がりにくいという状態はありえても、docomoの通話回線網を利用した音声通話においては、タイミング次第でしっかり繋げられることが出来ているのMVNOの格安SIMになります。

ただし同じ通話といってもIP電話を利用した場合(050番号の通話)はこの限りではありません。IP電話はネット回線を利用しているため、データ回線の通信環境によって通話のしやすさが影響されます。そのためIP電話やアプリ内通話(LINE内での通話)で普段の電話を行っている方でMVNOを使っているという場合は、災害時に連絡手段が最も必要なタイミングで塞がってしまうという危険性があります。

 

まとめ:ネット通信には期待をかけないほうがいい

災害時にはこのようにネットへ繋ぐことはMVNOの格安SIMでは難しくなり、通話はキャリアと同じ条件のため使える望みがあるのではと考察してみました。IIJmioの報告では、災害発生による大規模な集中トラフィックについては、docomo側で詳しい対応も決まっておらず、災害状況で判断する場当たり的な対応になるのではと言っています。そして集中トラフィックがあった場合、ほとんどのMVNOでの通信は非常に困難になると予想されるとのことです。

災害時には格安SIMのデータ側ではまともな動作は期待できないでしょう。逆に通話側はキャリアと同列になるため、連絡手段としてはこちらのほうが有効な手段になるでしょう。

個人的にはIP電話やアプリ内通話というネット回線に頼った連絡手段は、平時の時こそ安くて便利ではありますが、緊急事態の時には通話のしたい時にしづらくなるという欠点がありますので、MVNOと080,090番号の2台持ちや音声付きのMVNO格安SIMという形でキャリア通話の出来る環境を作っておくのがいいと思います。

災害時では時にそのコストが低い故のデメリットによって、通信が困難になると予想されるのが格安SIMです。安さも確かに魅力ではあるものの、その点を考慮して通信/通話環境を備えておきましょう。

1 個のコメント

  • 090/080の音声通話も期待できませんよ。
    緊急通報(110や119など)が最優先されるため、通常の
    通話は繋がりにくいことが予想されます。

    災害時はmvnoの接続帯域を開放して、その代わり
    simカード単位で制限(たとえば最大128kbpsなど)を行う方がいいと思います。
    非常時にどうするか、総務省も巻き込んで議論する必要があると思います。

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