楽天モバイルは楽天モバイル第2弾として2種類のスマートフォンを発表しています。
格安スマホ路線として用意した第1弾とは打って変わって、比較的高額でも高いスペックを持ったスマートフォンを使えるようにしたセット内容になりました。
楽天が提供するということでショッピングサービスとの連携を含めて今後広くサービス展開が予定されていますが、まずは楽天モバイルのプラン内容およびスマートフォンのスペックを紹介しましょう。
楽天モバイルの概要
楽天モバイルはMVNE元にNTTPCコミュニケーションという所を利用してMVNO回線を仕入れているようです。個人向けではメジャーでないMVNOのようです。
料金プランは4種類用意しており、最もMVNO全体の中で人気のある2GBプランは、他社と料金は一緒ですが100MB増量させて「2.1GBプラン」として内容を差別化しています。
初期こそ端末購入には一括での支払いが必要でしたが、負担が大きいということで分割での支払いが可能になりキャリア回線のように販売をすることが可能になってきました。今後は楽天市場での買い物をした場合に、楽天モバイル所持者に一定のメリットがあるような仕組みを作り出す予定といいます。もしも実現すれば現在楽天で買い物などをしている方には購入候補の先頭にたつ格安SIMになるのではないでしょうか。
サービスの途上ではありますが、それでも楽天ブランドということで安心感もあるのか、格安SIMおよび格安スマホは売れ行きが好調となっています。
料金プランの内容と速度目安
4つのデータ通信量と音声通話がセットになった料金プランが用意されており、格安スマホの場合ではこれに端末代金が追加で発生してくるのが楽天モバイルの内訳です。
まずは料金プランの内容と格安SIMの仕様、そして速度などの使い勝手についてまとめてみましょう。
ベーシックプラン | 2.1GBプラン | 4GBプラン | 7GBプラン |
1250円 | 1600円 | 2150円 | 2960円 |
データ通信量なし | 2.1GB | 4GB | 7GB |
最大速度200kbps | 最大速度150Mbps | 150Mbps | 150Mbps |
その他料金や費用
契約事務手数料 | 3000円 | 解約金 | 9800円 |
MNP転出手数料 | 3000円 | SIMカード再発行手数料 | 4000円 |
データ通信量追加 | 100MB/300円 | 留守番電話オプション | 月300円 |
通話料 | 30秒/20円 | キャッチホン | 月300円 |
SMS送受信料 | 国内3円 海外50円 |
SIMカード | 標準/micro/nano |
プラン変更 | 可 |
- スマホセットで楽天ポイントが1500~4000ポイント貰える
- 将来的に楽天市場の購入金額によって楽天モバイルの利用料金が減らされる予定
- 速度はサービスインの時点では速くて使いやすい
- 品質も気になる所はなし
楽天市場、楽天ポイントとの連携が今後期待できる
今はまだスマホとセットで購入した場合にポイントが貰える程度の特典しかありませんが、今後サービス拡充の一環として楽天がもつ日本有数のショッピングサイト「楽天市場」との連携が予定されているようです。まだ詳細は発表されてはいないものの、既に楽天モバイルの担当者がその大まかな内容を会見などで話しています。
買い物と連携することで、楽天会員の人ならば通信料金が安くなる可能性があり、今後大々的にサービスが始まることで楽天会員には非常に恩恵の高いMVNOであると言えます。
速度は混雑時でも5Mbps前後を常に保つ
楽天モバイルで心配される部分は、その通信品質の度合いです。どの程度の通信のしやすさを見せるのかが心配されています。
実測としては朝の8時からの1時間、昼12時からの1時間、夜20時からの4,5時間という混雑時でも5Mbps前後の速度をしっかりと保っており、サービスインまもないといってもちゃんとした品質を見せています。
この状態がどれぐらい続けられるかによりますが、現状の品質には心配いらないものになっています。
Viberや楽天でんわで通話料が安い
これは楽天モバイルだけが使えるというアプリではなく、どのキャリアでもMVNOでも使えますが、Viberや楽天でんわといったアプリをインストールすると、楽天ポイントを通常よりも多く貰えるなどの特典を楽天モバイルユーザー限定で用意しています。
ViberはLINEのようにメッセージのやりとりはもちろん、IP電話方式でデータ通信網を利用した基本料も利用料も無料な通話をすることが出来ます。ただこちらだとアプリを双方がインストールしていることが条件なので、普通の電話を安くするのに使えるのは「楽天でんわ」というアプリです。
この楽天でんわは普通の090-、080-から始まる電話番号を使いながら、本来かかるはずの通話料を3分間までなら何回でも無料にしてくれるという電話補助アプリです。基本料も一切かからないので、通話をするならば必ずインストールしておきたいアプリの一つです。こうした回線事業だけでなく周辺のサポートもしっかり用意しているのが楽天モバイルです。
キャリアメールの類は用意されていませんが、Yahoo!メールやGmailなどのPC向けメールアドレスを使うことになります。
スマホ3機種の特徴
楽天モバイルではセットにされる3つのスマートフォンを用意しています。公式販売以外にも楽天市場で販売される中古スマホでももちろん使えるのですが、中古の場合は自分で設定が必要ですし、docomoのスマホの場合はテザリングが出来ないという問題も発生しますのでその点には注意すべきでしょう。
3つのスマホにはそれぞれ特徴があります。1つは格安スマホに分類される廉価モデルのスマートフォン。もう2つはキャリアの販売するスマートフォンに負けないぐらいのハイスペック機種で、楽天がただの格安スマホを提供するMVNOにはならないという意思表示を感じられます。
ZenFone 5 | AQUOS SH-M01 | Ascend Mate7 | |
Android | Android 4.4.2 | Android 4.4.2 | Android 4.4 |
CPU | Snapdragon400 | Snapdragon800 | Kirin 925 |
RAM | 2GB | 2GB | 2GB |
ROM | 8GB | 16GB | 16GB |
電池 | 2110mAh | 2120mAh | 4100mAh |
画面サイズ | 5.0 HD | 4.5 フルHD | 6.0 フルHD |
連続待受時間 | 約395時間 | 約460時間 | 不明 |
カメラスペック | 800万画素 | 1310万画素 | 1300万画素 |
重さ | 145g | 120g | 185g |
その他特徴 | ATOK標準インストール | 防水 ワンセグ IGZOパネル |
LTE Cat6 |
販売価格 一括 |
26,400円 | 52,800円 | 48,888円 |
ZenFone 5は既に数多くのレビューサイトで書かれているように、ほとんど不具合もなくサクサク動く低価格帯の中でも優秀すぎる性能を見せています。注意点としては楽天モバイルモデルのZenFone 5はROMストレージが8GBと市販のものよりも半分にスペックダウンがされています。この点は購入前に自分の使い方と相談したほうがいいでしょう。
AQUOS SH-M01はベースのスマートフォンにdocomoで出したAQUOS EX SH-02Fを使っています。スペックも全く変わらないため、完全にMVNO向けにチューニングをしたSH-02Fです。SH-02Fはシャープ特有のタッチパネルの反応の悪さがかなり改善してきて、サクサク使いやすい機種になりました。電池持ちのいいIGZOパネルを使うので、1日中安心して使うことが出来ます。
Ascend Mate7はHuwaiから出てきた6インチの大画面スマホです。5万円以上はしてしまいますが、スペック的にはNexus6にも負けないレベルのものですので、Nexus6が高いと感じる場合にはこちらを購入するのもいいでしょう。画面が大きいので情報量が一度に手に入ります。
2万円台半ばの機種から、いきなり倍の5万円超えのスマートフォンというラインナップですが、スペックを見るとちょうどいい感じに住み分けが出来ているというのが感じられます。docomoの2014年夏モデル同等の機種と考えると5万円でも価格付けは安いほうと言えるかもしれません。高額になりがちな6インチスマホでも5万円、CPUはオクタコア(8コア)というハイスペックさを鑑みると、こちらも比較的安いでしょう。
これらのスマートフォンは家電量販店や楽天カフェで実機を触れることが出来るので、お近くに行った場合には試してみるのがいいでしょう。
解約金とMNP
解約にかかる費用は、音声電話が出来るプランに加入している場合は、1年縛りが発生します。契約から12ヶ月以内に解約した場合に、9800円の解約金が発生します。またスマートフォンを分割で24回払いで支払っている場合、解約してもそちらの残債の清算が必要になってきますのでご注意下さい。
MNPには転入も転出も可能です。携帯電話の節約をしたい場合にはMNPで楽天モバイルにすることが出来ますし、auやSoftBankなどのMVNOの提供が積極的でないキャリアのプランや端末が気になったという場合には、楽天モバイルからMNPで加入することができます。
まとめ:ZenFone 5が8GBなのに注意を。それ以外では今後が楽しみなMVNO
予想以上に速度がでるMVNOとしてスタートしているのが楽天モバイルです。混雑する中で5Mbps前後を出すというのは、サービスイン直後とはいえ今後に期待が持てる内容です。まだまだこれからの内容が求められますが、スタートダッシュは勢いにのれたと見ていいでしょう。
スマホとのセット販売については、第1弾の格安モデルであるZenFone 5がスペック的に本来の市販販売されているモデルよりもROMストレージが下がった8GBモデルというところが引っかかるところでしょう。Android5.0にアップデートされればSDカードにアプリの書き込みが出来るようになりますが、Android4.4のままだとアプリのデータは本体にしか記録できないので、ゲームなどの容量を使うアプリを多くインストールできないという不安感があります。スペックがいいだけに3Dゲームなどもしやすい格安スマホだけに、この楽天モデルのストレージの低さは致命的でしょう。
ただこの点を抜かせば楽天モバイルが用意したスマホはどれも隙のないものを揃えたと言えます。格安モデルでありながら性能の高い『ZenFone 5』、価格は高いものの未だに需要の高い小型モデル・防水・省電力を実現させた国産シャープの『AQUOS SH-M01』、こちらも価格だけ見ると高く感じるものの、性能と比較するとむしろ安いレベルで、8コアプロセッサーに6インチフルHDという大画面でネットやアプリが使いやすい『Ascend Mate7』と、ただただやみくもに格安モデルだけを揃える他のMVNOとは違い、スマートフォンのラインナップがユーザーの多様な使用目的に合うように揃えられています。
ただ安いだけのスマホだけを選んでいるMVNOが増えている中で、楽天モバイルの見せる姿勢はdocomoやau以外にも多様な選択肢を与えることが出来る真の意味でのMVNOの役割に近づいて行っている気がします。格安スマホという面が最近は特にフィーチャーされがちではありますが、MNOキャリアにはない選択肢の創出というのも本来的なMVNOの役割のはずです。そうした面を真っ先に見せ始めた楽天モバイルは、今後の活躍が非常に楽しみなMVNOになります。現時点では速度も品質も良く期待の出来るサービスインを果たしたので、これからに期待したいところでしょう。
プラン変更不可となっていますが、楽天モバイルのヘルプでは変更できるようです。確認お願いします。
情報ありがとうございます。早速修正させていただきました。