auから新料金プランが出てきて話題になっています。
各種報道ではMVNO、格安スマホに対抗するためのプランであるという紹介がされており、月額1980円から使える格安プランという内容を聞く限りでは確かに安いプランのように思えます。
安いプランでの運用が出来れば、現状の通信環境だとMVNOよりもキャリア回線を使いたいところでしょうし気になっている人も多いと思います。。
この新料金プランが実際のところ本当に安い契約が出来るのかどうか、何かうまい使い方がないかどうかというのを今回は検証してみました。本当にMVNOに対抗できるところがあるのか、というのを検証していきます。
auの新料金プラン「ピタットプラン/フラットプラン」の特徴
まずは今回の新料金プランの特徴について解説していきましょう。
auの新料金プランは2種類用意されています。
使ったデータ通信量で料金が変動する段階性プランである「ピタットプラン」、そして20GBや30GBという大容量プランとして提供される「フラットプラン」です。
どちらも音声プランとデータプラン、それに既存のプランで言うLTEネットがセットになった料金プランで、これまで複数のプランをセットにして運用していたものがよりシンプルな一つのプランで運用できるようになっています。
通常のプランに比べた時に気になるのは、毎月割が適用されないという点です。キャリア回線の格安運用にはこの毎月割の活用が大事になってくるわけですが、そちらが使えなくなってしまいます。
また最も安くなる形では1980円という宣伝のされ方になっていますが、この料金を実現するには1年間限定の割引である「ビッグニュースキャンペーン」とauの固定回線との連動割引である「auスマートバリュー」を適用させなければなりません。
そのため1980円で使えるというのは期間限定であり、なおかつ条件としても厳しいものがあります。こちらはしっかりと安くなる条件を確認しておく必要があります。
特に1年限定の料金であるという点はY!mobileやUQ mobile同様に注意しておきたい条件です。
ピタットプランは通話定額無しで小容量契約したいauユーザー向き
まずピタットプランはMVNOの対抗として見た時に、あまり強みと見れるようなところはありません。
1980円からの料金は魅力的ではあるものの、まず1000円分の割引が1年間限定という点、それに500円~1000円分の割引がauスマートバリューを前提にしているという点がまずピタットプランの料金を見る際には注意しなければならず、auスマートバリューを適用できない場合にはそこまで安い料金にはなりません。
そのため同じ回線を使ったUQ mobileと比べても定額制と段階性という違いはあるものの、安さという点においてのメリットはピタットプランにはあまり感じられません。
ましてやdocomo系のMVNOと比較して更に安い料金プランと比較しても、1GBはもちろん3GBや5GBの料金がMVNOに近い金額とは到底言えません。
スーパーカケホ | ~1GB | ~2GB | ~3GB | ~5GB | ~20GB |
基本料 | 3480円 | 4480円 | 5480円 | 6480円 | 7480円 |
---|---|---|---|---|---|
ビッグニュースCP | ▲1000円 | ||||
auスマートバリュー | ▲500円 | ▲1000円 | |||
最安時 | 1980円 | 2980円 | 3480円 | 4480円 | 5480円 |
カケホ | |||||
基本料 | 4480円 | 5480円 | 6480円 | 7480円 | 8480円 |
ビッグニュースCP | ▲1000円 | ||||
auスマートバリュー | ▲500円 | ▲1000円 | |||
最安時 | 2980円 | 3980円 | 4480円 | 5480円 | 6480円 |
シンプル | |||||
基本料 | 2980円 | 3980円 | 4980円 | 5980円 | 6980円 |
ビッグニュースCP | ▲1000円 | ||||
auスマートバリュー | ― | ▲500円 | ▲1000円 | ||
最安時 | 1980円 | 2480円 | 2980円 | 3980円 | 4980円 |
基本料+データプランの格安SIMが大体3GBで1600円程度、5分または10分の通話定額オプションを加えても2400円程度であることを考えると、auスマートバリュー適用かつ1年目の料金であってもMVNOに対抗するのは苦しい金額と言わざるを得ません。データ通信量が少ない状態では通信速度の高速さというキャリア回線最大の強みという点もそこまで目立ってこないでしょう。
ピタットプランはMVNO的なスマホ代の節約に重きを置いた運用よりも、今auを使っているユーザーが活用するのに役立つプランに近いものになっています。
通話定額の無いシンプルプランで1GBからの格安の組み合わせを実現したい人や、2年以上同じスマホを使っていて買い替えの予定も今のところないauユーザーなんかには面白い新料金プランとなりますが、MVNOとの比較で比較対象として出てくるほどのプランではありません。
あえて強みを見出すならば24時間のかけ放題プランが契約出来て安い料金プランで運用できる点はMVNOには出来ていないポイントなので、そこはMVNOユーザーに魅力に映るかもしれません。
フラットプランはMVNOの大容量プランに打撃を与えそう
今回のauの新料金プランにおいてMVNOの対抗となるのは大容量プランの方になるでしょう。
こちらの料金プランは使い方によっては完全にMVNOの大容量プランを亡き者にする可能性があります。
フラットプランでは20GBと30GBという大容量のデータ通信量を付帯させた契約をすることができます。料金内には音声通話の基本料や定額料が最初から含まれています。
料金表はこちらのようになっています。
スーパーカケホ | 20GB | 30GB |
基本料 | 6500円 | 8500円 |
---|---|---|
ビッグニュースCP | 1000円 | |
auスマートバリュー | 1000円 | |
最安時 | 4500円 | 6500円 |
カケホ | ||
基本料 | 7500円 | 9500円 |
ビッグニュースCP | 1000円 | |
auスマートバリュー | 1000円 | |
最安時 | 5500円 | 7500円 |
シンプル | ||
基本料 | 6000円 | 8000円 |
ビッグニュースCP | 1000円 | |
auスマートバリュー | 1000円 | |
最安時 | 4000円 | 6000円 |
例えばMVNOの中でもユーザー数が最も多いIIJmioと比較してみると、20GBの大容量オプションをミニマムスタートプランに付帯した場合、データ通信量の総量は23GBになるものの月額の料金は4700円となります。こちらも1年限定、auスマートバリューを前提とした料金ではありますが、最安では音声通話含めて4000円という非常に安い金額を付けています。これを他のMVNOと比較してみましょう。
またMVNOの中でも常に最安を目指しているDMM mobileの20GBプランでは、音声通話付きでも4680円となります。
これらと比較すると、1年限定とスマートバリューを適用出来ていればMVNOの料金を下回る安さに、スマートバリューが適用できなくても1年間は300円/月しか違わず、2年目からの料金でも1300円/月しか料金差がないというのがわかります。
20GB以上という大容量のデータ通信を行う予定であれば、料金以外にも通信速度というのが大事になってくるでしょうから、キャリア純正回線でこのMVNO並みの安さで使えるauのフラットプランは、1300円差あっても優先的に契約したい大容量プランと言えるでしょう。1300円差程度で20GBの通信量が通信速度も快適に使え、なおかつキャリアのサポートやキャリアメール、そしてキャリアのキャンペーンなどが利用できるというのは差額が出てもこちらのフラットプランを選んでも良いのではないでしょうか。
5分定額を追加してもたったの500円、24時間定額でも1500円しか料金が変わらないのもこのプランの安さを感じるところです。
こちらのauフラットプランであれば、確かにMVNOの対抗になるでしょう。多少高くてもそれだけのメリットがこのプランには存在しています。
注意点としてはこちらのプランでは現在テザリング利用料が2018年3月から500円ほど発生してしまう可能性があります。こちらは将来的に無料期間が延びるかもしれませんが、2018年4月以降はテザリングが有料になってしまう可能性があるので注意してください。ここはMVNOに比べると厄介な問題と言えそうです。
MVNO潰しには至らないが、大容量プランをMVNOで選ぶ意味は薄くなったはず
というわけで簡単にですがauの新料金プランがMVNOのプランと比べてどうなのか、ということを考えてみました。
ピタットプランについてはMVNO対抗というよりもこれまでauのプランで選べなかった形態のプランがカバーされているといった側面が強くなっています。
かけ放題を選べて段階性定額というところは多少MVNOに影響があるかもしれませんが、ちょっとプランのわかりにくさがあるので必要なユーザーにまでうまく届かないかもしれません。
一方でフラットプランはMVNOに十分対抗しうる内容を示しています。
条件さえそろえば期間限定でMVNOのプランよりも安くなりますし、多少高くても20GBや30GBの大容量を快適に使うことのできる回線品質はau純正ということもあってMVNOの比ではありません。
安さをどこまで求めるかということにもよりますが、MVNOに近い料金でキャリアの回線が使えるこのauのフラットプランはMVNOの大容量プランを利用している人はチェックする価値が大いにあります。
auフラットプランはわざわざスマホを買わないでも持ち込み新規契約で契約出来ますし、その方法でも1年間のビッグニュースキャンペーンによる割引を適用できます。
例えば今だとXperia XZの白ロムが4万円以下と、下手なSIMフリースマホよりも安いのでこちらを購入してフラットプランを契約すれば、MVNO+SIMフリーと同じような形で運用をすることが出来ます。auの白ロムはこのXperia XZの他にもGalaxy S8のようなMNP一括0円でバラまかれているものの白ロム相場が崩壊する傾向にあるので、低価格でハイエンドモデルの機種を購入することが出来るのでスマホと一緒に調達するのにそこまで高額な費用がいりません。
こうしたセットで使えるスマホが結構コスパイイものが揃っているという事情もあり、今回のフラットプランに関してはMVNOの対抗に充分なるのではないかと感じました。
大容量プランを契約している人は一考の価値ありです。
またauの白ロムは割と高性能機が安くなっているので今回のプラン関係なくチェックしてみると良いでしょう。
Xperia X PerformanceやZ5、AQUOSシリーズなんかはかなり安くなっています。イオシスやAmazon辺りでチェックしてみてください。
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