mineoがauのVoLTEに対応したSIMカードの具体的な発売日と仕様に関する注意点を発表しました。
これによって完全にKDDIのLTE網のみで通話と通信が出来るようになるため、auの特殊な通話方法であるCDMA2000に対応していないSIMフリースマホでも、VoLTEに対応かつauのLTE Bandに対応していれば、そのLTE網を使って通信のみならず通話も今後は可能になってきます。
これによりフラグシップ級の海外SIMフリースマホをau回線のMVNOで通話および通信が可能になる可能性が高くなります。
特にauのCDMA2000は通話品質ではdocomo、SoftBankの比にならないぐらい悪いため、このVoLTE対応によってクリアな音質で通話が出きることになりそうです。
VoLTE対応SIMの詳しい料金プランの発表は11月からです。
VoLTE対応SIMフリー端末も取扱い開始
同時にVoLTEにも対応したSIMフリー機も発売がされます。
発売となるのは富士通のarrows M02です。docomoから発売されるarrows fit F-01HのSIMフリー版で、指紋認証を搭載していないマイナーチェンジモデルです。
この機種はあくまでもauのVoLTEが使えるSIMフリースマホであり、mineoから販売するもののau回線に対応した専用モデルというわけではありません。arrows M02の対応周波数的にはdocomo回線での利用が基本的にメインとなり、docomo系のMVNOでの利用が想定される利用法としては基本になります。
ただそれでも同時にau回線とauのVoLTEが利用できるということで、SIMフリースマホとしては公式的に初のマルチキャリア対応のスマートフォンということになります。詳しくはarrows M02のスペックに関する個別のページを用意しますのでそちらを。
VoLTE対応au白ロムも利用可能、ただし注意点あり
もちろんVoLTE対応SIMはVoLTE対応のSIMフリーのみならず、VoLTEに対応したauのスマートフォンでも利用できます。
ですがこのVoLTEに対応することによってこれまでのau白ロムと格安SIMとの関係が、これまで通じていた常識と異なるようになってしまいました。その変化をここで説明しようと思います。
SIMロック解除が必要
auのVoLTEスマホを、MVNOのVoLTE SIMで使おうとした場合、端末側のSIMロック解除を行わないと通信が出来ないようになっています。
これまでキャリアスマホの白ロムを利用する場合には、ネットワーク利用制限のかかっていない状態であれば、MVNOのSIMを入れてAPNを設定すればそのまま使えるようになっていました。そのため白ロムが高騰するようになり、古いスマホでも結構な金額がかかるようになる状況が生まれていました。
ところがauのVoLTE端末ではSIMロック解除不要で使える回線は、auの純正な契約のみとなっていて、たとえau系のMVNOがVoLTEに対応していてもSIMロック解除を行わないとau網での通信が出来なくなっています。
そのためこのau VoLTEスマホからは、これまで半ば常識であった白ロムと格安SIMという組み合わせで買えば使える、というのが通じなくなってしまったということになります。
SIMロック解除の方法
auのVoLTEスマホをSIMロック解除するにはどうすればいいのでしょうか。
それは「契約から6ヶ月以上経過して、3000円を払ってauショップで手続き」する必要があります。auは白ロムでもSIMロック解除が可能なキャリアで、そこは助かる部分です。なのでVoLTEの白ロムがSIMロック解除されていない状態で売っていても、前の持ち主が契約してから6ヶ月経っていれば、白ロム購入者でもauショップで解除できます。
契約から6ヶ月というところに注意しましょう。発売から6ヶ月ではありません。
SIMロック解除未対応の一部VoLTEスマホは利用不可
また全てのVoLTEスマホがこのSIMロック解除でmineoのau VoLTE SIMが使えるわけではありません。
SIMロック解除義務化以前に発売されたVoLTEスマホは、SIMロック解除が出来ないため、MVNOのVoLTE SIMが利用できなくなっています。
2015年5月以前に発売された機種で、SCV31より以前に発売されたスマホです。具体的な名前を挙げるとLGV31やSHV31といった今auの白ロム市場で格安な値段で買えるスマホたちです。これらは白ロム価格が安いからといって、mineoのVoLTE SIM用に購入してはいけません。SIMロック解除が正式な方法では利用できないため、Wi-Fiでしか使えません。
一応LGV31は旧ファームウェアの状態なら海外業者からSIMアンロックコードを購入して、非公式な形でSIMロックを解除すれば、VoLTEでないauMVNOのSIMカードでも通信は出来るのですが、ファームウェアのアップデートで塞がれているため詳しくない人にはハードルの高い作業であるためここでは詳しく説明しません。
と、このようにこれまでのMVNOとキャリアスマホ、白ロムとの関係が、auのVoLTE対応以降異なるということになりました。
mineoのVoLTE対応によって、SIMフリースマホでも今後はau MVNOで通信はもちろん通話も対応機種で可能になりましたが、auのVoLTEスマホの白ロムを気軽に使えるようにはならなくなりました。
auは現在VoLTE対応スマホのラインナップを揃えており、既に3Gに対応したスマホはiPhone 6s以外新作を出していません。このため、今後はau白ロムによるmineoやUQ mobileの運用も、だんだんと白ロムが少なり価格も高騰することで、安く済ますことのできないようになってくることでしょう。
VoLTEへの対応が始まったことは通話品質を高める上でもありがたいことですが、このような難儀な仕様へと変わってしまったのは残念な印象を受けます。
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