ニフティがMVNOとして格安SIMの市場に参入します。
これまではDo!LTEという名前であまり目立った活動をしてこなかった事業者ですが、格安スマホに最適なミドルクラススマートフォン『ZenFone5』が登場したことにより、本格的に格安SIMと格安スマホを提供するMVNO事業者として活動し始め、新たな格安SIMとして『NifMo』ブランドを立ち上げて活動し始めました。
このNifMo、MVNOの中では新顔ということでまだ評価が定まっていないため、その指標とすべく契約プランの内容やサービスの内容までを詳しく解説することでこの『NifMo』のプランが契約に値するのかどうかをを考えてみたいと思います。
NifMoの格安スマホ・格安SIMのプラン内容
『NifMo』は格安スマホのセットと格安SIM単品を販売するニフティのMVNOブランドです。
格安SIMはデータオンリーのプラン、音声通話が可能なプランが契約できます。選べるデータ通信量は2GB、4GB、7GBになっています。
ニフティが直接docomoからサービスを卸しているわけではなく、他社のMVNOがMVNEとなってニフティが利用している回線です。MVNE元は公表されていません。プランの内容をみるに楽天モバイルに仕様が似ているため、楽天モバイルがMVNEになっているのかもしれません。
データプランにSMSオプションは存在しません。最近のSIMフリースマホやdocomoスマホでは、それほどセルスタンバイ問題が起こることは少ないのですが、安めの白ロムやiPhoneで利用するときにはセルスタンバイ問題によるバッテリー消費の問題、およびiPhoneのアンテナピクト表示が出てこないという問題がデータプランで起こる可能性が高いです。
格安スマホでセットにされるのは最近はやりのZenfone5となっています。スペックは楽天のようにストレージ容量を減らすようなことはしておらず、16GBモデルが選べるようになっています。
料金割引サービスを2種類用意しており、現在キャッシュバックも行われています。割引には契約時に自動で適用されるものと、ニフティのサービスを既に利用している方向けの割引があります。そして更にこれとは別にキャッシュバックが用意されています。Zenfone5を使った格安スマホではそんなに割引を合わせたキャンペーンが行われていないのですが、NifMoではかなり大きめのキャンペーン特典を付けだしています。
キャンペーン価格込みで考えた場合、平均よりは安い価格で提供をしてくれることになりそうです。
NifMo料金プラン
続いては月額の利用料金を出して行きましょう。まずは料金を出してその後にそれぞれの考察を行いたいと思います。
まず月額料金の内、基本料金となる通信費部分は初月無料です。ですので月の中ごろや月末近くに契約しても、その月は無料月になるので無駄なお金を支払う必要はありません。ただしその月に解約してしまった場合は、満額費用はかかるので注意してください。継続契約しないとこの初月無料の恩恵は得られません。
格安SIMのみ
2GBプラン | 4GBプラン | 7GBプラン | |
データ専用プラン | 900円 | 2500円 | 3500円 |
電話+データプラン | 1600円 | 3200円 | 4200円 |
スマホセット
Zenfone5 セット |
2GBプラン | 4GBプラン | 7GBプラン |
データ専用 +端末 |
2197円 (CP値引き後= 1997円) |
3797円 (CP値引き後= 3597円) |
4797円 (CP値引き後= 4597円) |
電話+データ +端末 |
2897円 (CP値引き後= 2697円) |
4497円 (CP値引き後= 4297円) |
5497円 (CP値引き後= 5297円) |
速度制限・料金プラン考察・その他規制など気になるところ
料金プランをざっと見ると、2GBプランは平均的な安さです。2GB900円は現在のMVNO事業に本気で取り組んでいる事業者の中では平凡ではありますが、安いのに恩恵の強いプランです。一方で4GB、7GBプランは他社よりもかなり高い金額です。よほどニフティが好きだ、という理由でもない限りコストの高さから使う機会のないプランでしょう。
そのため『NifMo』を契約する場合は必然的に2GBプランが中心になるかと思います。格安スマホセットもこの価格での宣伝がされているので、『NifMo』的には2GBのみがメインとなるコースなのでしょう。
その他料金やプラン内容に関わる規制や料金をまとめておきましょう。
- 契約事務手数料 3000円
- 規制速度 200kbps
- 3日制限 2GB:400MB、4GB:600MB、7GB:1GB以上の通信を行った場合、その時点で通信速度が200kbpsに
- 最大速度は150Mbps。ただし実速は10Mbpsを下回る場合がほとんど
- キャンペーンで最大400円引き
- オプションが保証も含めて豊富
オプションサービスなどは次の項目でたっぷりと解説しますので、ここでは規制の内容とキャンペーン内容を詳しく解説していきます。
まず規制については、データ通信量を使いすぎた場合に速度規制が入ります。規制には2種類あって、1ヶ月間のデータ通信量を超えた場合と3日間の総通信量が既定の数値を超えた場合に行われます。1ヶ月の通信量とは契約時の2GB、4GB、7GBという数値ですね。これを月が替わる前に使い切ってしまうと速度が200kbpsという遅いものに変わってしまいます。
もう一つの規制は3日間に使ったデータ量が上にも書いてある通信量に達した場合に規制されます。
値引き系・キャッシュバックキャンペーンについても解説しましょう。
まず格安スマホのセットを契約した時に無条件で200円が割引される値引きキャンペーンがあります。これは格安SIM単体では行われません。格安スマホのセットを契約することで200円引きが24ヶ月間行われます。プランは3つの内どれを契約しても構いませんが、やはり内容がいい2GBで契約をすべきでしょう。
この割引によって、格安スマホセットは本来の2897円がキャンペーン割引によって2697円で使えるようになっています。一応この200円引きキャンペーンは2015年1月31日までとなっていますのでご注意下さい。
もう一つ毎月の料金を200円引き出来るキャンペーンがあります。こちらを先程の格安スマホのセットでも適用できると、2697円から更に200円引きとなり2497円が毎月の料金になります。これはZenfone 5の組み合わせの中では最安に近い料金になるでしょう。
この条件は、「既に@niftyの接続サービスに加入している」ということです。今現在ニフティの別のインターネット関連サービスに加入している場合、格安スマホセットもしくは格安SIMの料金が200円引きされるというものです。インターネット関連サービスは、光回線やADSL回線などの固定回線が対象となります。
今ニフティを使っている人にとっては選ぶべきMVNOとしてメリットが大きいというわけです。
そして今なら2000円のキャッシュバックも付いてきます。この2000円キャッシュバックの期間については不明ですが、Zenfone 5を使った契約の中では最も料金割引系のサービスが強いMVNOとなっているのは確かです。
サービス・オプション解説
NifMoは他のMVNO事業者のように、回線サービスだけを提供するというようなやり方をしてきません。MNOのように回線事業だけでなく各ショッピングサイトとの連携を深めて、より深くNifMoと利用者の結びつきが深くなるようなサービスを備えています。
NifMoバリュープログラム
その最たるものがこの『NifMoバリュープログラム』です。これは言わばニフティユーザー向けのポイントサイトのようなもので、このNifMoバリュープログラム上に登録されているアプリのダウンロードや、ショッピングサイトでの買い物、別サイトへの登録などをすると、その買い物額や登録などの行動に応じて、毎月の料金に対して割引が可能な還元を受けることが出来ます。
このNifMoバリュープログラムを通じて日々の買い物をしていくことで、通信費が通常の料金よりも更に安くなっていくという仕組みです。例えば買い物やアプリインストールで500円分の還元が受けられたら、その月のNifMoの料金は例えば2697円のプランを契約したとしていて、還元を受けて2197円になるという仕組みです。
NifMoバリュープログラムを活用することによって、NifMoを使ってかかる携帯代は更に安くなる可能性を秘めています。
NifMoコネクト
こちらは無料でWi-Fiスポットを使うことが出来るサービスです。
契約したデータ通信量を消費せずに通信が出来る無料Wi-Fiサービスは、MVNOを使う上ではありがたいサービスですが、NifMoではそれを標準で付けてきました。もちろん追加料金はかからず、付属オプションという形をとっています。
Wi-FiスポットはBBモバイルポイントを使うことが出来ます。チェーン店系の外食店によく入っているため、ランチ時のMVNOが混雑して速度が出なくなりがちな時でも、こちらのWi-Fiを使うことで快適に通信できて、尚且つデータ通信量を消費しなくて済みます。
アプリで簡単にWi-Fiスポットへと接続してくれるので、使いやすいことは確かでしょう。
NifMo あんしん保証
次はオプションサービスの説明です。
月額380円でNifMoでは端末が壊れた時に5000円から交換機を手配してくれる保証サービスがあります。
保証の範囲は水没、破損、故障、落下事故となっています。こうした問題に端末があった時、初回が5000円、2回目が10000円、3回目以降は定価で新しいスマホと交換することが出来ます。
流石に3回目以降はメリットもなく、修理する機会がまずないと思いますが、初回の故障時の交換代金の安さはメリットが大きいでしょう。縛り期間が6ヶ月で、分割支払いが1万円を切るのが16ヶ月後となるため、この辺りで保証オプションを外すなどすると、故障など無く平常に使って行った時も総額を安くすることが出来るでしょう。
NifMo訪問レクチャー(要注意オプション)
NifMo訪問レクチャーは月額480円で加入できるオプションで、なんと自宅まで設定方法のレクチャーをしてくれる訪問員が来てくれるというサービスです。
設定方法から基本的な使い方を自宅において訪問員の方に教えてもらえます。
スマホ初心者の方には魅力に感じるサービスですが、この月額480円はあくまでもオプション維持の料金で、初回以外の訪問には1時間6500円からの料金がかかってしまいます。
更にこのオプションは24ヶ月の契約を前提としています。そのため、24ヶ月以内にこのオプションの解約、あるいは回線自体の解約がされてしまった場合、480円×残りの契約期間分のオプション解除料金を支払わなければいけません。
便利で手厚いサポートである一方、使うにしてもやめるにしても非常に高額な金額が必ずかかってしまうため、少しでも不要だと感じた場合は出来る限り加入しないほうが安全なオプションであると言えます。NifMo契約時にはこのオプション加入について注意しないとならないでしょう。
端末ZenFone 5について
セットにされて発売するのはASUSの低価格ミドルスペックスマホ、「Zenfone 5」です。
こちらは過去に記事していますが、現在の格安スマホセットの中ではZTE Blade Vec 4Gと並んで選ぶべき低価格スマホの筆頭機種です。
IIJmio/BIC SIMの格安SIMを使ったビックカメラ/エディオン/ノジマの格安スマホ | 脱携帯キャリア宣言
ZenFone5の口コミ FOMAプラスエリア、LTEに対応、IIJmio/楽天/@nifty/U-mobileで格安スマホ化予定 | 脱携帯キャリア宣言
格安スマホのセットとしてはまず不満が少なく、カクカクしたり重くなるという動作面での不具合も少ない良機です。
NifMoオリジナルな内容としては特にスマホの中身には無いのですが、価格にはオリジナルな要素が入っています。それは一括価格が31112円になっているところです。本来ならば、同じスマホは26800円で購入できるのですが、NifMoからの購入だと少し高くなってしまいます。
ただしこれは格安スマホセットとして購入した場合には、2年で実質26800円と変わらない金額になります。その理由はセット購入で適用される200円割引が24ヶ月分あるため、その割引を端末代金にあてがった場合には一般販売価格と変わらない料金になります。
回線のレビュー・評価
このNifMoの回線はMVNE元が判明していないため、明確な速度に関するレビュー等がまだ出来ません。口コミや評判を集めようとクラウドソーシングでも応募をかけましたが、まだ利用している人が少ないために集まってきません。
このレビューや評価については、集まり次第記載をしていこうと思います。
解約金について
解約金については3種類あります。
回線の解約代と端末の分割残債、そしてNifMo訪問サービスのオプション解約金です。
回線は6ヶ月以内に解約した場合は解約金が8000円かかります。7ヶ月目以降の解約と音声プランをつけていない場合には解約金がかかりません。
端末代金を一括ではなく分割で支払った場合、その残りの残債については解約後も支払う必要があります。
そしてNifMoで最も注意しなければならないのがNifMo訪問サービスを契約した場合の解約金です。480円×24ヶ月中の残りの期間分オプション解約金が必要になります。NifMo訪問サービスについては加入してしまった時点で最低でも11520円を支払う必要があるオプションになるので必要か不要かを事前によく考えたほうがいいでしょう。
新MVNO『NifMo』、どんな人におすすめか
以上NifMoのサービスについてまとめてみましたが、このNifMoはどのような人にお勧めできるのかということをまとめてみたいと思います。
それは以下のどれかに当てはまる人です。
- ニフティのサービスを使っている
- Zenfone 5を格安スマホとして最も安く入手したい
- ネットで買物をよくする
こうした人達ならNifMoは選ぶ候補に上がる格安スマホだと思います。
ニフティのサービスを既に使っている場合、毎月200円の割引が受けることが出来ますので、Zenfone5を使った格安スマホの中では最安で手に入れることが出来ます。
また例えニフティサービスを使っていなくても、格安スマホセットならば200円の割引が必ず適用され、更にキャッシュバックもあるため、Zenfone5セットの中では最安に近い料金で使うことが出来ます。
そしてこれらの料金はNifMoバリュープログラムを使ってネットショッピングやアプリインストールをすることで、毎月数百円~1000円近い割引を適用させることが出来るため、スマホの携帯代を契約後にも節約する工夫をこらせることが可能です。
回線の実力が不明ではありますが、節約が目的かつしっかりと使えるスマートフォンも欲しいという方には、端末もサービスもとても良い形になっているかと思われます。NifMoはこれまでのMVNOにはない安さを実現する可能性が高く、格安SIMで節約をしたい人にはオススメの一つになりそうです。
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