これまで格安スマホの解説の中で、格安SIMの出来や内容、使い勝手の良さなどに触れていたことはあっても、格安SIM単体に触れることはありませんでした。
そこで今回は格安SIMに絞った記事を書きたいと思います。個別の特徴やレビューをするには時間がかかるため、自分が使ってきた中でオススメすることが出来る格安SIMをいくつか選び、それらの料金プランと特徴、オススメできる理由をそれぞれ解説したいと思います。
今回オススメするのは、格安SIMを使う上では定番中の定番と呼べるMVNOのものが多く含まれています。格安SIMを提供するMVNOやそのプランには非常に多くの種類が現在生まれてきています。その中の格安SIMを一つ一つ比較して、どれを選べばいいかを選ぶというのは実に大変な作業です。知識もないのに似たような内容のプランの中からいいものを選ぶのは難しいことでしょう。
この記事はそうした初心者の方に格安SIMの選択を簡単にし易いように、これさえ選んでおけば確実に満足できると言えるものを選んで紹介しておきます。数あるMVNOの中で、回線の品質や速度の安定感、データ通信量の多さと料金プランの安さといった点で比較した場合に、トップクラスの実力を持つ格安SIMというのが存在します。これを知っておくことで格安SIMを全て比較して無駄な時間と手間をかけることなく、良い品質の格安SIM間だけで比較することが出来ます。2014年11月の時点で今回挙げる4つの格安SIMは、知識を持つ人なら確実に納得してくれるラインナップだと思います。
そもそも格安SIMの品質とは?
格安SIMの比較をしようとした場合、真っ先に比較対象にするのはその料金とデータ通信量の大きさでしょう。
そして恐らく多くの人はこの価格と通信量の比較だけで契約する格安SIMを決めてしまいがちです。
しかしこの選び方は決して間違いではないものの、この比較だけだとダメなMVNOに引っかかってしまい料金以外の部分でストレスの溜まる使用感を感じながら利用を続ける羽目に陥ってしまう可能性があります。
実は格安SIMはMVNO各社によってネット通信の品質が全く異なっています。そのため料金の安さで比較をして優劣を決めてしまうと、料金が安い代わりに品質の悪いMVNOと契約してしまう羽目になりがちです。MVNOを比較するときは、料金やデータ通信量の比較だけではなくデータ通信が軽くてスムーズに快適に使えるという点でも比較をしないと、詰まった通信や時間帯によって極端に遅くなる速度などに悩まされることになります。
MVNOはこうした品質も比べないと、使用感や格安SIMに対する満足度といったものは雲泥の差になってしまいます。そのためここでオススメとして挙げる格安SIMも通信品質に定評のあるところのみをピックアップしていきます。安くて容量が多い格安SIMをオススメとして挙げるのは簡単ですが、通信品質が伴っていないと契約後に後悔してしまうこともあるでしょう。
ですからここでは安さよりも品質を重視したプランやMVNOの紹介をしようとしています。
具体的な速度の面まで検証した記事を追加しました。こちらも参考にして下さい。
MVNO格安SIMの速度比較 IIJmio/mineo/楽天/FREETEL/OCN/BIGLOBE/DMM/UQ mobile/NifMo他
mineo
料金プラン
a/dプラン | 500MB | 1GB | 3GB | 5GB | 10GB |
---|---|---|---|---|---|
シングル(データ) | 700円 | 800円 | 900円 | 1580円 | 2520円 |
デュアル(音声+データ) | 1310円/a1400円/d | 1410円/a1500円/d | 1510円/a1600円/d | 2190円/a2280円/d | 3130円/a3220円/d |
※家族や自分名義内に複数のmineo回線がある場合は▲50円
※docomo網の回線プランのみ、SMS付帯SIMの場合に120円追加
特徴
- バースト転送機能で高速通信機能をOFFにしても使いやすい
- シェア機能を筆頭にデータ通信量を無駄なく使える
- docomoとauの2つの回線を選んで契約可能
- MVNOの姿勢がユーザー寄りで信頼度が高い
何故オススメなのか
あえて比較するまでもなくオススメできるMVNOの格安SIMの最筆頭は『mineo(マイネオ)』です。
このMVNOは格安SIMに必要な速度と、ユーザー目線を持った「ポリシー・長期的視野」があるため、長期的に格安SIMを使うことを前提に考えた場合に信頼をもって利用できるでしょう。
格安SIMを選ぶ時に一番大事なポイントは速度です。ただその速度は毎月毎日のように速い遅いという状況が変わっていきます。そのため一時的に高速な回線を選んでも、最悪の場合契約した翌日に速度が大幅に低下するということも起きてしまう性質を持っています。
この格安SIMに関する速度の不安定さはどのMVNOでも問題になってくるのですが、MVNOが持つ「ポリシー・長期的視野」次第では速度が遅くなる事態を回避することも可能になります。「ポリシー」とは要はそのMVNOの方針です。そのMVNOがどういった方針でこの事業を運営しているのかという点も、速度と同じく重要です。
ここをしっかり考えないと、せっかく格安SIMにしたのに回線品質の低い通信状況で使い続けなければならず、他のMVNOの格安SIMユーザーよりも使いづらい環境になってしまいます。ユーザーのことを考えずに、契約者数や利益を重視したポリシーを持つMVNOだと、速度が遅くなってもそれを改善させるための投資に力をいれず、契約増加のための販促費などに手を加えるほうを優先しがちです。そうすると一時的には速度が良くともそれを継続させることは出来ません。
そんなMVNOが多い中mineoのポリシーは現在「ユーザー第一」と呼べるものになっており、ユーザーのことを考えた情報発信や機能の追加などに力をいれています。もちろんその中で回線品質を高める努力を怠らず、定期的な帯域購入による設備増強を行っており、速度が低下することが少なく、低下しても短い期間で回復・上昇する傾向にあります。
格安SIMに一番大事な速度ですが、それを数ヵ月先まで良い状態で保ってくれるMVNOは少なく、mineoはその期待度が高い本当に数少ないMVNOです。
MVNOサービスがメジャー化してから各MVNOのポリシーというのがハッキリしてきた中で、mineoのユーザー目線を持った運営方針は信頼に値するものになっています。料金も比較をするまでもなく他社と同じように安いですから、速度もあってユーザーのことを思っているmineoは比較不要な本気度の高い定番MVNO格安SIMとしてオススメできます。
FREETEL
料金
従量制プラン | ~100MB | ~1GB | ~3GB | ~5GB | ~8GB | ~10GB |
---|---|---|---|---|---|---|
データプラン | 299円 | 499円 | 900円 | 1520円 | 2140円 | 2470円 |
データプラン | 999円 | 1199円 | 1600円 | 2220円 | 2840円 | 3170円 |
※SMSオプション付きのSIMは140円値上げ
特徴
- 299円からの使った分だけ料金が発生する従量制プラン
- 毎月の帯域増強を公言
- 速度に対してこだわりが見られる
なぜFREETELがおすすめなのか
FREETELがオススメな理由も速度はもちろんのことユーザーのことを考えた速度上昇をこだわるポリシーを持っているからです。
FREETELはサービスが始まった2015年8月から最低でも1年間は毎月docomoから帯域を購入して、速度を維持・上昇させると宣言しており、2016年の中旬までは速度の問題に悩まされることはないでしょう。mineoほど細やかななサポートや機能は充実していませんが、速度維持という視点においては他社以上に熱心に取り組んでいます。
小文字の「freetel」ブランド時代には回線品質の悪いU-mobileをMVNE元にしていたこともあり評判は悪かったですが、L2接続を開始した大文字なFREETELブランドに変わってからはかなり期待できるMVNOにもなってきました。社長がSNS上で情報発信しており、比較的コミュニケーションをとりやすいのも、ユーザーの声の反映しやすさに繋がっているかもしれません。
料金プランは選択制ではなく従量制となっており、使った分だけ料金がかかります。一番高くても10GB使って3000円以下なので、使いすぎても心配することはないでしょう。使わなかった月はその分安くなるため常に最適な金額を払うことになります。
機能の少なさはちょっとネックな部分ではありますが、速度と少なくとも2016年中旬までは設備を追加してくれる点は好印象です。SNSで増田社長自身が速度の良さを強調しているので、公言した1年間の定期増強が終了したあとでも、速度を求めての帯域設備の増強は期待できるでしょう。
DMM mobile
DMM | ライト | 1GB | 2GB | 3GB | 5GB | 7GB | 8GB | 10GB | 15GB | 20GB |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
データ | 440円 | 590円 | 770円 | 850円 | 1210円 | 1860円 | 2140円 | 2190円 | 4570円 | 6090円 |
データ+音声 | 1140円 | 1260円 | 1470円 | 1500円 | 1970円 | 2560円 | 2840円 | 2950円 | 5270円 | 6790円 |
※SMSオプションは150円追加料金
※シェアコースによる複数SIMコースあり(8GBから)
特徴
- バースト転送機能で低速回線も安心
- MVNO業界最安値の料金プラン
- IIJmioの帯域を使った回線
DMM mobileのオススメポイント
DMM mobileはMVNO運営上のポリシーはそれほどユーザー寄りではありません。DMM mobileのポリシーは料金のほうを向いており、同内容プランならば業界最安値を目指すというものです。そのためmineoやFREETELほどに速度維持のための設備投資にお金をかけるわけではありませんが、10万人ものユーザーを抱えながら快適な速度を維持しています。
そもそもDMM mobileは独自にdocomo側と接続しているのではなく、接続元となるMVNEを介してMVNOの事業を運用しています。DMM mobile回線のMVNE元は、MVNOの中でも評判がいい(ただし混雑時の速度が今一つな)IIJmioです。そのため回線品質に関してはmineo同様に心配することは一切ないものになっています。
大まかな回線管理をIIJmioに任せて、DMM mobileは主に独自帯域の購入という形でしか運用面でのコストがかかっていないため、最安値ながら速度が良いという面白い結果になっています。6月から提供された新APN(dmm.com(IP自体はvmobile下にあり))では、回線品質はIIJmio同等ながら、通信速度はDMM管理下に置かれるため、IIJmioが遅い時間帯でも比較的速度の出る回線になっています。(6月以前に契約したvmobile.jpというAPNは速度がIIJmioと同じ)
ポリシーの面では速度の改善を第一に挙げてないものの、現状速度が良い状態が続いており実績はしっかりとしたものがあります。プランも多種多様なものが用意されており、それでいて最安値で使えるのは素晴らしい内容でしょう。mineoやFREETELほど今後の速度が安心ではありませんが、実績もあり広告費などが親会社の性質上豊富なのを感じられ、大容量プランまで対応しているため、10GB以上の通信をしっかり行いたい時にはDMM mobileが速度も良好なので選らんでも良いかもしれません。
Y!mobile
Y!mobile | スマホプランS | スマホプランM | スマホプランL |
---|---|---|---|
音声+データ | 2980円 | 3980円 | 5980円 |
※月額割引適用で大幅値下げの可能性あり
特徴
- 音声定額付きで安い
- MNP前提なら現在データ通信量が2倍になるキャンペーン中
- スマホセットだと割引が効いてコスパでは最高のものに
Y!mobileのオススメポイント
オススメのMVNOとしながらもY!mobileは正確にはMVNOではありません。SoftBankのMVNO的な扱いですが、ほぼMNOなサブ回線的な立ち位置です。
正確なMVNOではないにも関わらず、Y!mobileをオススメの格安SIMとして加えいれたのは、回線品質がMVNOの比ではないくらいに安定していること、そして音声通話の回線としては格安SIM以上のコスパを見せる料金プランだからです。
Y!mobileは2年縛りかつ音声契約プランしか基本的に契約できないという制限はあるものの、それさえ受け入れることが出来ればMVNOと比較しても特筆して安い回線になっています。決してデータプラン比ではY!mobileの良さというのは料金にはなく、回線の安定性や速度のみにはなるのですが、音声通話比においてはMVNOと違って準通話定額プランとなっているため、通話料を考えた場合には確実に格安SIMよりも安いコスパの良い回線になります。
特にスマホとのセットでは「月額割引」という通信料割引があるため、スマートフォン込みの料金で4000円以下、3000円以下という格安スマホ以上の料金内容で契約することも可能です。特に今だとDIGNO C 404KCが新規かMNPの契約でとてつもなく安くなっているため、音声プランでMVNO格安SIMを契約したいと思っている人は、404KCの通話定額型のスマホセットプランもMVNOの代わりに契約するという考えを持ってみてください。
MVNOの問題点である速度もSoftBankの回線網を使っているため、速度がユーザー数の増加によって極端に変化するようなことなく、常に一定の速度を平時には使うことができます。ユーザーサポートもMVNOとは比較にならないレベルであり、実店舗での代替機や設定案内などMVNOにはない充実さがあります。
音声通話契約が基本となるため、多くの人はMNPでY!mobileと契約することになると思いますが、そうした場合は現在データ通信量が2倍になるキャンペーンがされており、選べるプランが2GB、6GB、14GBという具合に上がります。初期のプラン内容では通信量が少ないと感じる方もいると思いますが、これならば納得できるでしょう。MNP契約、音声通話付きのプランならばMVNO以上のコストパフォーマンスを見せるので、Y!mobileのスマホセット契約は音声付きでは実は一番良い契約になります。
まとめ:この4つの中から比較して選べば失敗はしない
冒頭でも書いたように、多くの種類が出回る格安SIMの中から比較をして自分にあった一つを選ぶというのは非常に労力のいる作業です。
特にそれが単純に節約目的であり、適当にいいものが欲しいという場合には、比較対象がありすぎますしその中からいいものを選ぶというのは大変でしょう。
今回選んだ4つの格安SIMの内最初の3つは、とりあえず格安SIMを始めたいという初心者の方や、後悔しない格安SIM選びをしたい方には鉄板とも言えるものを選んでいます。ハズレのMVNOではない、それどころかアタリのMVNOである事業者であるため、相対的に他の格安SIMよりも後悔しない確率が高いです。
多数の格安SIMの中で闇雲に比較すると時間を消費するばかりですので、今回紹介した通信品質に定評のある安定した回線の中から契約する格安SIMを選ぶことをこれから格安SIMへ乗り換えようとしている方にはオススメします。
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