格安SIMのオススメMVNO 4つの回線と選び方について

現在「格安SIM」と呼ばれるスマホの通信料金を激安にしてくれるサービスを提供しているMVNOというものが話題を呼んでいます。

通常7,000円前後の料金がスマホの料金プランとして設定されているキャリア回線とは異なり、格安SIMでは平均して770円ほどから通話とデータ通信を含んだスマホ回線を利用できるということで、通信料の節約を簡単に実現できるとして注目を浴びています。

この格安SIMですが、サービスを提供しているMVNOが現在法人・個人向け合わせて実に100社以上存在しており、いざ格安SIMに変えようと思ってもどれを選んでいいのか目移りしてしまって悩んでしまうかもしれません。

この記事ではそんな格安SIMについて手っ取り早く「オススメ」のSIMについて紹介すると共に、一応「オススメ」を把握しながらもしっかり各種の格安SIMを調べて自分で決めたいという人へ向けて「オススメ」な格安SIMを判断する基準についても詳しく説明しておきます。

後悔しない格安SIM選びをしたい人はぜひこの記事に目を通していただければと思います。

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格安SIMの「オススメ」を考える前に把握しておくべき3つの前提

イキナリ「オススメ」の格安SIMを5,6個集め、それをランキング形式にでもして紹介しても良いのですが、それだと個人的にはこれから格安SIMを選ぶユーザーの人々のためにはならないと考えているため、格安SIMについて本当の「オススメ」を考えるための基準となる項目・前提となる項目というものについて説明したいと思います。

適当にその場限りでのオススメSIMを紹介して終わってしまった場合、もしも選んだ格安SIMに不満が出た時に選びなおそうと思った時に再び「格安SIMのおすすめは○○!」みたいな記事を参考にして選ぶことになり同じ失敗をしてしまう可能性があります。ネットには「オススメ格安SIMはこちら!」という記事が多くありますが、それら全てがユーザーのために紹介しているものではありません。一部の格安SIM系のサイトではユーザーのためではなく、自身の利益のために「オススメランキング」を構築しているところもあり、そうしたところの紹介を元に選んでしまったら、質の悪いMVNOの格安SIM回線をまた使わざるを得ない事態に陥ります。

そうした事態を避けるためには本当に「オススメ」と言えるようなMVNOを選ぶための評価基準についてもユーザー側が知っている必要があります。格安SIMやMVNO選びに関するリテラシーをある程度でもいいので持っておくことで、「オススメ格安SIM特集!」みたいな記事を読んだ時に、それが果たしてユーザーのための記事かそれとも利益を生むために書かれた記事かぐらいはわかることでしょう。

以上の考えからまずここでは個人的に思う格安SIM選びの基準となる点、あるいは前提として押さえておくべきチェックポイントというのを挙げておきます。個人的な指標ではあるものの、この指標は今の格安SIM選びに使えるものだと思っています。

料金比較はほぼ意味なし サービスの質と通信速度が大事

格安SIMに興味を持つ理由の大きな点の一つはその料金の安さでしょう。毎月6,000円以上、時に1万円以上かかっているスマホの料金が、格安SIMに変えることで1500円以下での利用も不可能ではないとすれば、誰だって格安SIMを選びたくなることでしょう。

キャリアメールの問題や端末残債の問題など含め、キャリアから格安SIMへの乗り換えに踏ん切りがついたときにまず最初に比較等するのが格安SIMごとの料金面についてになります。

ですがこの料金比較というのは比較としてはあまりにも初心者的です。ある程度格安SIMを使い慣れている人は、次の格安SIMの乗り換えには料金での比較をほとんどしません。その理由は「ほとんどの格安SIMはそもそも安い」からです。

そもそも安い格安SIMの料金では最安のSIMと比較しても大体のMVNOは数十円から100円ちょっとぐらいしか毎月の金額は変わりありません。この数十円ちょっとの料金差が果たしてどれだけ重要でしょうか。キャリアと格安SIMの数千円差は節約に大いに役立つことは間違いないですが、格安SIM同士の料金差はそこまで節約には影響してこないでしょう。

格安SIM選びに複数社のSIMを比較するのは当然のことですが、それが料金では意味がないというのが実際のところです。料金の比較ではほんの僅かしか差がないので、比較するだけ正直無駄になってしまいます。

ではどういった部分を格安SIM同士では比較すればよいのでしょうか。

まずその点については中級者向けとして「通信速度の良し悪し」とそれを前提にした「各種サービスの信頼性」というのが挙げられます。

格安SIMに乗り換えたはいいものの、一部のユーザーはすぐにキャリアへと回帰して契約しなおす人も少なくありません。なぜこの人たちはキャリアに戻ったのか。それには格安SIMに対して不満があったからに違いありませんが、その不満の原因というものがまさしく通信速度です。

格安SIMはMVNOがdocomoやauといったキャリアから回線の帯域を借り、その帯域内で契約したユーザーの回線を扱うという仕組みになっています。帯域の量に対して契約したユーザーの数がバランスを取れていないと、通信速度が極端に落ちるというキャリアでは一部エリアでしか起きない現象が、全国的に起きてしまう性質をもっています。

このため帯域バランスの取れていないMVNOでは、通信速度の非常に遅い格安SIMを提供してしまうことになり、それは利用しているユーザーにとって非常にストレスを感じてしまうものになります。

この通信速度は格安SIMによって本当に千差万別になっており、ほとんど同じような月額料金で契約しているにも関わらず、ある格安SIMユーザーは快適にネットが出来るのにある格安SIMユーザーはネットが遅くてストレスを感じながら使っているという、異なる使用状況が生まれています。

通信速度こそまずは格安SIMを選ぶ上で比較すべきポイントであり、その通信速度が良いという格安SIMの中から更にサービスや選択可能なオプションといったものを比較し、自分の使い方に合った格安SIMを探るのが中級者的な格安SIMの比較であり選び方になります。

通信速度は真実か?ごまかすような事業者ではないか

この通信速度による比較というのは、当サイト含め最近ではメジャーなメディアなどでも実施されるようになり、ここ1年ほどわかっている人の格安SIM比較として定番化してきました。

ですがこの通信速度比較について注意点があります。どのメディアもスピードテストアプリを利用してこれまでは計測を実施してきたわけですがそれに問題が出てきています。というのもMVNO各社、格安SIMが選ばられる要素として通信速度が重要になってきたことに目をつけ、スピードテストアプリの通信にのみ速度が出やすいようにチューニングを施している事業者が一部出てくるようになったのです。

この問題はスマホ辞典さんが「スピードテストブースト問題」として暴いており、一部のMVNOがスピテスの数字は良いものの実際のWebサイト読み込み、画像読み込み、アプリダウンロードなどの実利用においてはスピードテストとは異なる遅い数字が記録されるというものです。

具体的な事例を見ていきましょう。

次の画像は楽天モバイルとFREETELの同時間帯のスピードテストアプリ利用時の通信グラフと1.5MBの画像ファイルをダウンロードした際の通信グラフです。

楽天モバイル FREETEL
speedtest.netの測定中  楽天スピード  fれえてlすぴーど
実際の画像ファイルダウンロード速度  楽天12時  FREETEL12時

こちら右から左に時間が流れて、その間の通信トラフィックを記録しているわけですが、スピテスと画像のダウンロードに全く異なる結果が出ているのがわかってもらえるかと思います。同時測定はできないといっても1分もない時間のズレにも関わらず、10Mbps近い速度の乖離が見られます。

これは普通のWebサイトの読み込みでも同様で、通信速度は画像のダウンロード速度のほうが実効速度として正しい数字になっており、スピードテストアプリの結果はそれ専用に細工された速度というのが暴かれています。

FREETELや楽天モバイルというのは、MVNOの速度比較の記事を出しているところだと上位に入ってきている格安SIMですが、実はこのように速度をごまかすことによって速いという評価を作り出しているため、実際には並みの格安SIM同等・またはそれ以下の実効速度というのが正しい評価なのです。

こうした通信速度が比較の重要な要素となってきた流れの中で、それを逆手にとってユーザーをごまかすようなMVNOが出てきているため、単純な通信速度の比較を参考にするのではなく、こうしたスピードテストアプリブーストを考慮に入れた速度計測や、実際のファイルダウンロードを記録して比較している速度比較を参考にして選ぶべきということになります。

一応当サイトではファイルの実効速度を重視して速度を記録して毎月の通信速度を各MVNOごとに比較しています。

MVNO格安SIMの速度比較 12月 IIJmio/mineo/楽天モバイル/FREETEL/OCN/BIGLOBE/DMM/UQ mobile他

2017年12月10日

長期的にユーザーの利便性を考えてくれているか

格安SIMの比較は通信速度を重視すべきであり、その通信速度がごまかされていないという点も大事というのがここまでの格安SIM選びの基準点のまとめです。

料金なんかよりも毎日使い続ける上でストレスの原因にならないような使いやすい読み込み速度を出すSIMを選んだほうが後悔は少なくなるでしょう。

ですがこうした通信速度の比較と言っても、通信速度自体は結構月ごとに速いSIM遅いSIMが入れ替わる水物なところがあるため、契約時は速いSIMという評判だったから選んだけれども翌月には速度が低下して使いづらくなってしまった、なんて話はよくあることです。

通信速度は比較として大事ではあるものの、この通信速度がすぐに落ちてしまうのも格安SIMの宿命であるためにそれは覚悟しなければなりません。このため通信速度は大事ではあるものの、この速度が落ちた時に素早い対応・回復力や速度が良い状況を継続的に維持できる能力を持ったMNVOを見極めるというのも、「オススメ」な格安SIMを把握するための上級者的な指標になります。

いくら速度がその調査結果で良かったといっても、その違う別の月に速度が落ちては元も子もありません。そのため通信速度は格安SIMにとって大事な一要素ではあるものの、比較して購入する際にはこの速度が遅くなった時にも素早い対応を見せるMVNOを選ぶことも重要です。その対応力を見極めるための指標としてはそのMVNOの「姿勢」になるでしょう。このサイトではそういった「姿勢」を「ポリシー」という言葉にして複数の意味を詰め込めて使っています。

そのMVNOが持つポリシーというのは本当に運営する事業者によって異なります。格安SIMを単純に利益を出すために提供しているのか、あるいは準インフラと化したスマホをより安く快適になるように提供しようとしているのか、そうしたポリシーの違いというのは、結局のところ通信速度にも現れてくるもので、ユーザーのことを考えていないところは常時遅く、ユーザーのことをしっかり考えているところは遅くなったとしてもちゃんと予算をかけて数ヶ月以内には速度の回復をしてくれます。

格安SIMはどれを選べばいいか 速度の他にMVNOとしての信頼性やポリシーを判断材料にすべし

2015年11月19日

通信速度は格安SIMを選ぶ一つの大きな基準ではありますが、同様にこの速度を維持し続ける・あるいは遅くなった時でも回復してくれる努力をしてくれる姿勢を持った格安SIMを選ぶというのも、長期的に利用をしていくには必要な視点です。

そして往々にして速度改善を行ってくれるMVNOはユーザー目線を持ってMVNO事業に取り組んでくれているので、そうしたユーザーのことを考えた運営をしているところのSIMを見極めるようにしてください。

以上の3つの点。

  • 通信速度
  • それをごまかさない信頼性
  • 速度の改善などユーザーの利便性を向上させる姿勢

というのが料金比較なんかをするよりももっと大事なMVNO格安SIMを選ぶうえでの重要な視点であり、これら3つを高いレベルで満たすようならば「オススメ」の格安SIMとして選ぶ価値は十二分にあるでしょう。

当サイトではこの3つの基準を元に「オススメ」のMVNOをこれから紹介するわけですが、当サイト以外の意見を参照して検討する際にもこうした料金や速度、サービス以外の視点にどれだけ注意を払っているかというのをチェックしておけば変な宣伝目的の紹介記事に騙されずに済むかと思います。

オススメ格安SIMは?

それではこの上記の選択基準をベースとして、「オススメ」と呼べる格安SIMを複数選んでみたいと思います。

「オススメ」の中でも性質が違うものとして2つの項目に分けてピックアップしています。一つは通常のMVNO格安SIMの中でのオススメを、そしてもう一つは広い意味でのMVNOや格安SIMの一つに含まれるものの、若干その性質からMVNOとは一線を画す存在となっているものに分けました。

どちらも使う上では同じ「オススメ」ではありますが、性質が異なる点に注意してください。

ユーザーの厳しい目にも向き合うMVNO

IIJmio

IIJmi

メリット

  • MVNOの事業者からも信頼される高い技術力
  • IIJミーティングなどで情報発信、ユーザー交流を古くから実施

デメリット

  • 夜間はユーザー数増加に対応できない期間のほうが長い
  • 通話付きのプラン(みおふぉん)は通話料が安くなる手段が少ない

まず最初のオススメMVNOとして紹介するのはIIJmioです。こちらの格安SIMは一時期本当に契約者を伸ばし、ネット上でも定番の格安SIMとなっています。実際その評価は妥当と言えるだけの良さがこのMVNOには存在しています。

他社からも評価される高い技術力と回線品質の高さ

まずこのIIJmioは回線品質が非常に高く、速度や接続がとても安定しているMVNO回線です。これはユーザーからの評価はもちろん、他社のMVNOからも同様の評価を受けています。

というのもこのIIJは、自社の回線の一部を他のMVNOに貸し出すMVNE事業にも取り組んでいます。こちらはdocomoから回線帯域を借りて、設備を設けて格安SIMを運営するという体力のない企業などが、IIJの設備や回線を使って自社ブランドの格安SIMを提供できるという仕組みになるわけですが、IIJは現在多くのMVNOのMVNE元としてこの回線の貸し出しを行っています。

IIJの回線が選ばれるのはもちろん卸値なども関係してくるでしょうが、やはりMVNOとして老舗でありしっかりとしたポリシーを持っている事業者であるがゆえ回線品質への信頼度が高く、多くのMVNOを運営したい事業者のMVNEとして選ばれています。有名どころだとDMM mobileやイオンモバイルもIIJmioの回線を利用しています。特にイオンモバイルは過去日本通信やBIGLOBEなどの回線を扱いながら、最終的にはイオンモバイルとしてIIJmioの回線を採用したという経緯があり、IIJmioの回線品質の高さや安定感というのを同業他社からも評価されています。

設備投資や制御する技術力といったものへの信頼度というのは、やはり古くから回線系プロバイダーとしての実績がある故でしょう。

もちろんユーザーからもかねてよりその品質の良さというものは評価されていたわけですが、他社からもそこが評価されているというのは他のMVNOにはない特徴の一つになっています。

ユーザーの意見と向き合う、情報発信は積極的

次のIIJmioの特徴は、ユーザーのほうにしっかりと顔が向いているという点でしょう。このユーザーのことを考えている姿勢というのは、IIJmioの運営の端々に感じられます。

まずは情報発信が盛んという点。一時期スマートフォン、特にiOS端末ではOSアップデートに伴い格安SIMでは利用できない機能が出てくるなどの問題が頻発していました。この問題自体も色々面倒を起こしたということで問題なわけですが、格安SIM業界に対してこの問題が浮き彫りにしたのは、ユーザーに対しての情報発信を積極的に行い注意喚起などをしてくれるMVNOがどこなのか、そしてそういった注意喚起などを他社任せにして自社では行っていないMVNOがどこなのかという点です。

IIJmioはこの点において率先してユーザーへの情報発信、注意喚起というものをしてきたMVNOで、iPhone各モデルの新OSver・iPad各モデルの新OSverと格安SIMの相性というものを、自社内の検証用端末でアップデート直後に行ってユーザーへの情報共有を行っています。他社がサボりがちなこうした行動を、ユーザーのことを考えてしっかり実施できるというのは、その姿勢やポリシーがなせることでしょう。この点をおざなりにしているようなMVNOは最終的には速度増強の点でもおざなり・後回しになって通信回線の品質がわるくなっていく可能性が高いので、やはりこういうところで手の抜かないIIJmioは良いMVNOです。

またIIJmioはIIJミーティングを通じてユーザーとの交流を実施しています。最近は交流というよりもリテラシーの高いユーザーを集めての技術的な話をしていますが、こうした場を設けることはユーザーからの意見に晒されることに繋がります。この意見の中にはポジティブな改善要求の他にもネガティブな意見や批判要素といったものが含まれているわけですが、IIJmioではそれも覚悟した上で毎回このコミュニティを開催しており、ユーザーからの意見に向き合っています。特に速度系の意見は出されることが多く、次回ミーティング内での帯域増強の報告や速度状況のグラフなどが出されることがあります。

こうしたユーザーへ向けた姿勢が見えるのはかなり安心できる要素です。ユーザーからの意見と向き合うがために、スピードテストブーストをするようなことはできませんし、通信速度の改善をサボることもできません。結果的に回線品質を常に良くしようというユーザーメリットに直接つながる改善を行ってくれることにもなります。

ユーザーに対する姿勢やポリシーといったものを強く感じられるのがIIJmioです。

気になる通信速度は?

さて問題はこのIIJmioの通信速度です。

IIJmioの通信速度は通勤時間帯の午前中、13時以降から夕方までは非常に快適です。この時間帯なら調達した帯域に比べて利用するユーザーが少なくなっているので、ほぼ全てのMVNOが快適になりがちですが、IIJmioの場合は帯域の調達数が他のMVNOよりも特段多いので、状況によってはdocomo本家の回線より通信速度が上の場合があります。

問題はお昼時と夜間ですが、お昼時の速度は低速と言わざるを得ません。通信速度が格安SIM選びに大事としましたが、このお昼時のIIJmioはその通信速度という点で十分なものを提供していないのは事実です。更に夜間も通信速度については十分でない時があります。日や月によって異なりますが、大体夜には2~7Mbpsぐらいが平均的な速度となっており、2Mbpsに近い速度の時は体感で若干遅いと感じてしまうことでしょう。

このように一部の混雑時ではIIJmioは格安SIMを選ぶ際に重要視すべきである速度の面で今一つな結果になっていることがあります。ですが他社と比較してみると、他のMVNOでは夜間が高速な時もあれば1Mbpsを切る低速に大きく落ちるというような結構困る速度の上下動が起きる中で、IIJmioは遅くても2Mbps前後と比較的安定はしているので、その点極端な速度変動の少ないMVNOにはなっています。そもそもが遅くなることは避けられない前提の格安SIMの中で、一定のレベルには落ちないように維持されているIIJmioは、乱高下の激しい格安SIMを選ぶよりは使い勝手が計算しやすいSIMの一つであるかと思います。

「最速」SIMではありませんが、定期的な速度アップのための帯域増強を実施しているという点から「最遅」SIMになることも絶対にありません。一定のレベルでちゃんと安定して通信できるという意味においては安心して使える格安SIMです。

一時的な高速さを比較されては他社には劣りますが、長期的に見た時は回線増強を繰り返してくれるIIJmioの格安SIMのほうが満足度が高くなることでしょう。

ようやくファミリーシェアプランを低容量のデータプランでも可能になるなど、使いやすくなってきたIIJmio。唯一通話が安くなるオプションが少ないのがネックですが、それさえ許容できるようならば回線の安定感や信頼度も高くてオススメの格安SIMであることはまちがいありません。

mineo

mineologo

メリット

  • パケット補充系のサービスが豊富
  • マイネ王内にてリテラシーの高いユーザーの揃ったコミュニティを展開、ユーザーの声を届けることが可能
  • 無料通話オプションで通話料の節約も可能
  • au/docomoの通信網に対応したプランを所有

デメリット

  • 数ヶ月ごとに速度低下が起きやすい

ユーザー目線を持ったMVNO

次にオススメする格安SIMはmineoです。このMVNOは技術的にはIIJmioには劣るものの、IIJmioの質の高い運営方針に近づこうとこの1年ほど特に目立って精力的な活動をしてきたMVNOの一つです。

mineoについてはその「ユーザー目線」の高さについて語ることが出来るでしょう。

mineoはスタート直後にiOSアップデートによるau系MVNOの使用不可問題で情報発信や対応に遅れ、その評価を大きく下げてしまいましたが、そこから奮起して技術的な情報や各種ユーザーの助かる情報についてをIIJ並みの精度と速度で公表するようになっており、今ではかなりユーザーに優しいMVNOの一つとなっています。

更にmineoでは「マイネ王」というコミュニティサイトを作成し、ユーザー同士の交流やユーザーからの運営への要望が気軽に出来るコミュニティサイトを作成することで、より積極的にユーザーの声を拾っていく姿勢を見せています。

MVNOではどうしても速度が出ない時があり、それ故にユーザーの声というものは厳しいものが出てきてしまうことが多々あります。にも関わらずあえてそうしたコミュニティサイトを作り、ユーザーの厳しい声から逃げない環境へと自ら飛び込む姿勢というのは、MVNOを運営していく上でただならぬ覚悟のいることかと思います。あえてこの厳しい環境へと身を晒す姿勢は、どのMVNOも実施しておらずこの点だけでもmineoはMVNOの運営に対して本気で取り組もうとしているのがわかります。

実際このユーザー目線は通信速度の改善計画の迅速な対応や公表などに表れており、速度低下は起こるものの1ヶ月から2ヶ月の内には一定の対応力を示しています。数ヶ月以上放置しているMVNOが多い中でこの対応の早さは実際に使うユーザーにとっては長期的な契約を考える上で安心できる要素でしょう。

最近では更にユーザーとの連係を深め「アイデアラボ」と呼ばれるユーザーからのサービス改善要望をよりダイレクトに受け付けるサービスも開始し、ユーザーと共にサービスの充実を図ろうとする姿勢が伺えます。

ユーザーの厳しい意見から逃げない運営姿勢というのは格安SIMという明確なデメリットのあるサービスでは中々実施しようとする事業者はいませんが、mineoはあえて自社を厳しい環境においてサービスの改善を図ろうとしています。長く使うことを考えたらユーザーとしてはこういった事業者のほうが安心できるでしょう。

パケット単価の安さ、サービス活用でデータ容量が通常より多い

このmineoの姿勢は長期的に信頼を置いて契約することに適した格安SIMであるということでオススメなわけですが、それ以外にもmineo独自のサービスの内容が良いためにオススメであるという側面もあります。

mineoでは特に面白い取り組みとして、パケット補充系のサービスやオプションというのが充実している点を挙げられます。

このパケット補充系のサービスを利用すると、同程度の月額利用料を示す格安SIMよりもパケット単価が安く利用することができ、ちょっとではありますがお得に使えますし何よりいざという時に便利に利用できます。

このパケット補充系のサービスというのが「フリータンク」であり「パケットギフト」と呼ばれるmineo独自のサービスです。

「フリータンク」はmineoユーザーが余ったパケットをフリータンクに寄付することで、月末にパケット量が足らなくなったユーザーがその貯まったパケットを最大1GBまで無料で引き出せるサービスです。

フリータンク内の寄付パケットがなくなってしまった場合は引き出せませんが、これまで引き出し量よりも寄付量のほうが上回っており、ユーザー同士でmineoの利用を便利にする助け合いのサイクルが出来上がっています。

フリータンクから得られるのは月末21日以降から最大1GBのみとなりますが、このおかげで実質的に1GBを無料で追加できることになります。mineoのプランとデータ通信量に対してこのフリータンクを前提に考えれば、他社と同じ料金体系ながら+1GBという捉え方も可能になり、コストパフォーマンスが高めのMVNOとしてみることができます。

続いて「パケットギフト」もmineoの魅力を押し上げる要素です。

mineoの通常のデータ通信量、そしてフリータンクを使っても今月はデータ容量が足りない、となった時に本来であれば追加のデータ量の購入をする必要があるのですが、mineoの場合は他のmineoユーザーから無償で一部のパケットを「ギフト」してもらうことが可能になっています。

知り合いに融通してもらえれば無料で追加のデータチャージが可能というとても便利なサービスが用意されているわけです。

そしてこのパケットギフトを融通してくれるmineoユーザーが近くにいなくても、このサービスを利用して「パケットオークション」がユーザー間で実施されており、そちらを利用することで他社のMVNOの数分の1の値段で大容量のデータパケットを購入することが可能になっています。

「パケットオークション」とはmineoのパケットギフトを利用してオークションサイトにおいて自分のパケットを販売、mineoや他社のデータチャージ追加料金よりも安い相場でユーザー間のパケットギフトをやり取りすることが出来ます。

mineoも非公式という扱いながらも問題視しないという立場をとっており、このオークションサイトにおけるmineoの格安パケット売買は非常に盛んになっており、売るにしても買うにしてもお得にパケットをやり取りすることが可能になっています。

高いユーザー目線を持ち他社に比べると素早い反応で各種の速度・サービス改善を実施してくれ、更にパケットの補充を無料から可能ということで、便利に使えるMVNOの一つです。

その他記事でもポリシーの高さや速度の安定感などを含めてオススメな格安SIMとしていますが、長期的に使うことを考えた時には本当に今のMVNOの中では安心できる運営姿勢をもっているので勧めたい存在です。

気になる通信速度は?

最後はやはり通信速度についても触れておきましょう。

こちらもやはりIIJmioと同様、「最速」の格安SIMという立ち位置にはなりません。ユーザーがまだまだ少ないため、比較的IIJmioよりも速度が出やすい存在ではありますが、それでもお昼時なんかは速度低下に苛まれます。

上段で既に語っていますが、mineoの通信速度については数ヶ月ごとに遅くなってしまうタイミングがやってきます。増強自体は月に2回以上は平均して行っているというのがmineoの主張ですが、時折挟まれるキャンペーンによって想定しているよりもユーザーが増えて、増強が間に合わないことがあります。そうなると通信速度が最悪1Mbpsほどに落ちてしまうことがあるのですが、mineoの場合はこれを1ヶ月~2ヶ月ほどで改善してくれる対応力の早さがあります。

速度は落ちることがありますが、それを放置しないという長く付き合っていく上ではMVNOに絶対的に求めたい要素というのを満たしているのがmineoです。

通話料が安くなるオプション、パケット単価が非常に下がるサービスを持ち、通信速度も決して最速ではないものの長期的に見て回復力が早いというのがmineoの特徴です。

回復力の早さもMVNOのその姿勢から長期的に期待できるものになっていますから、長く付き合っていく格安SIMとしてオススメの存在であることは間違いありません。

サブブランドとしてのMVNO

「普通」のMVNOとしては、上記のようにIIJmioとmineoがオススメの格安SIMとして2つ挙げられます。

一時的にこの2つより速度の良い格安SIMはいくつか出てくることもありますが、そうしたSIMは速度が遅くなった時にこの2つのように素早い回復力を見せてくれるかは未知数です。割とこの2社よりも知名度のあるようなMVNOでも、速度状況の改善というものに無頓着なところもあるので、MVNO選びには名前が知られているということよりも実績などを重視したほうが良いでしょう。

その実績ならこの2つが信頼できるものを備えています。

さて基本的には「普通」のMVNOとしてはこの2つの格安SIMがオススメなのですが、もう2つほど普通とは異なるMVNOのオススメを紹介しましょう。

その2つがなぜ「普通」のMVNOでないかというと、どちらもMVNOの回線元であるもMNO(キャリア)の息のかかった特殊なMVNOだからです。普通のMVNOではキャリアとは無関係な事業者が運営しており、その帯域購入などは優遇されたりはしません。

ところがここからの2つは、かなり関係としてキャリアに近い存在・サブブランドとして展開されているものであり、運営面において酷い速度低下などが起きにくい、またはその可能性が低い特殊なMVNOになっています。

紹介するのはUQ mobileとY!mobileです。

UQ mobile

uq

メリット

  • 元々auの本回線がバックボーンだったMVNO回線
  • 回線速度が毎月高速な部類で安定している

デメリット

  • Y!mobileに比べると料金プランなどが洗練されていない

形式上は普通のMVNOではあるが、最近はauのサブブランドを隠さなくなる

auのサブブランドとしての展開がより目についてきたのがUQ mobileです。一時期はauとは完全に別会社ということをメディアなどでもアピールしていましたが、次に紹介するY!mobileが格安SIMブームの中で勢いを増してきた中で方針転換をしたようで、完全にau本体が対応できない格安プランを任されるMVNOへとなっています。

まずはこのUQ mobileの特殊性についてその出自から説明していきましょう。

UQ mobileは元々はKDDIバリューイネイブラーというKDDIの100%子会社が運営していた会社がサービスを行っていた格安SIMです。2015年11月まではKDDIバリューイネイブラーが管轄していたのですが、この頃のUQ mobileの評判をチェックしてみると、非常に高速な通信回線であるという評判が多く生まれているのがわかります。

この高速という評判が生まれたのは当然のことで、なんとこの頃のUQ mobile回線は、MVNOなのに回線元であるキャリア(au)の接続先とほぼ同じ回線帯域を利用していたからです。どういうことかと言うと要はMVNOなのに回線自体はMNOのものを使っており、格安なのに回線はキャリア級というとんでもないチート状態の格安SIMでした。

これがKDDIバリューイネイブラー時代には続いていたのですが、UQコミュニケーションズに事業が移管されてからは、auの本家回線とは異なる帯域を利用するようになり速度自体は普通のMVNOとなってきました。

これにより一時的には普通のMVNOに近くなったのですが、以降もmineoが総務省のパブリックコメント内で名指しは避けましたが特殊な優遇を受けているMVNOがいるとの告発をするなど、その特殊さはUQ自体がKDDIの子会社という側面を持っているために未だに存在しています。

そして2016年6月ごろよりその側面が再び強くなってきています。

Y!mobileの1980円キャンペーンがヒットし、MVNOを検討していた人が格安SIMではなくY!mobileを選ぶケースが増えておりシェアを伸ばしています。Y!mobileはSoftBankグループということで、熾烈な2位争いをしているauもこれに対抗するためにUQ mobileを利用して対抗プランを出させる方針となったようです。

更にiPhone 5sをMVNOとしては初めて公式的に扱い、専用のキャリアプロファイルを配布されるというMVNOには本来ありえないような優遇措置がなされています。これもKDDIがその後ろ盾となって手配したのでしょう。UQ mobileとauの関係性というのはかつての速度優遇時と同じぐらいのものになっています。

一時はUQ mobileで単独のMVNOという路線に行きましたが、再びauの色濃い影響を受けることによって、過去と同じように速度面での優遇をKDDI本体から得られる可能性が高まっています。そもそもUQ mobile単独路線の時だけでも比較的速度が落ちにくいSIMでしたが、そこにau色が強まったことで更に速度低下を心配しなくても良いMVNOとなる可能性が高いです。

au系MVNOの中ではmineoと比較して情報発信などは皆無ですが、速度自体はこれまで非常に安定しているものを提供していただけに、今回のサブブランド化によって更に安定感を増すこととなるでしょう。

その特殊性から使っていて安心という、他のMVNOにとってはやってられない優遇された内容かもしれないですが、ユーザーにとってはメリットにしかならないためにこの格安SIMもオススメな一つになります。

Y!mobile

1980

メリット

  • SoftBankのサブブランド
  • 速くて安定度の高い回線速度
  • 実店舗による店頭サポートを受けられる安心感

デメリット

  • 2年縛りあり

サブブランドとして勢いを増す格安回線

最後の一つはY!mobileです。サブブランドとしてはUQ mobileよりも有名な存在で、正確なMVNOあるいは格安SIMというジャンルには入らないものの、スマホの料金を下げたいという主目的には確実に合致する通信事業者であることは間違いありません。格安SIMを選ぶ人にはオススメの一つとして紹介したいMVNOです。

Y!mobileはSoftBankのサブブランドで、キャリアの位置づけに近い存在です。2年縛りや実店舗による販売・サポート体制はとても今のMVNOが対抗しうるものではないクオリティです。

ですがこうしたキャリア的な側面が強い回線事業者でありながら、その料金は実に格安SIMに近い設定がされています。しかも音声プランと比較すると時にY!mobileのほうがMVNOよりも安いという状態にもなってきており、メイン回線をMVNO格安SIMに乗り換えを考えている人に普通のMVNO以上にオススメしたい回線です。

このY!mobileはUQ mobile以上にキャリアのサブブランドという立ち位置を明確にしている回線で、通信速度はほぼSoftBankに準拠したキャリア回線並みの安定感と高速さを見せます。2014年頃までのSoftBank回線は通信の最適化や動画に対する帯域制御がありましたが、現在はこういったものはほとんど報告されなくなり、速度や回線品質の点ではMVNOが太刀打ちできないものになっています。

時間帯による速度低下はほとんどなく、あるのは人口密集エリアでの帰宅時間等との重なり時のみというキャリア回線特有の低下の仕方です。格安SIMのように時間帯による回線速度の低下はありません。生活エリアによってはほぼ速度低下とは無縁な快適な通信環境を、非常に安い料金で使えることになります。

MVNOの弱点である通信速度がよく、そして通話定額が10分間、300回/月使えた上に、契約方法によっては毎月の支払いも2,000円以下の可能性もあるという、「MVNO殺し」の側面も見えてきた非常に高品質なサブブランド回線がY!mobileです。

速度低下の心配もいらなければ通話料もほとんど気にしなくて良い無料通話時間があるので、メイン回線をいきなりの格安SIM運用にするのは不安だという人には一番料金でもサービス内容でも安心できる事業者でしょう。

シェアプラン・家族割引サービスで安さと利便性を備える

プラン上のメリット/特殊性からの速度のメリットの他にもY!mobileは料金や使い方で工夫の出来るキャンペーンや施策をそろえた事業者です。

その筆頭が複数のSIMを一つの契約で使えるようになるシェアプランと、家族でY!mobileを契約した場合に2台目以降で値引きが適用される家族割引サービスというものがあります。

シェアプランはスマホプランSで1100円の追加料金、スマホプランMでは550円、スマホプランLでは0円でSIMカードを追加できるサービスです。既存の契約に追加SIMとして複数枚持てるようになるのはデータ回線のみとなりますが、nano SIMまでに対応した便利なサービスです。スマートフォンを2台以上使っていたり、タブレット端末を所有している場合なんかには、SIMカードを使ったモバイルデータ通信を追加で可能となるというのは、ルーターやWi-Fi接続の面倒さを感じさせず、運用のしやすいものにしてくれるでしょう。

家族割引サービスでは家族間でY!mobileを契約している場合、2台目以降で毎月550円の値引きを継続して行ってくれるという非常にありがたいサービスが行われています。ただでさえ安いY!mobileの料金を更に低いものにしてくれます。特に3,000円以下だとその効果は絶大で、どのプランでも安く利用することのできる割引サービスです。

今なら通話定額+高速回線+データ量2倍なのに1,980円からという破格な音声プランに

Y!mobileはそのコストパフォーマンスを考えれば格安SIMの音声契約の中でも他の追随を許さないレベルのものを持っていますが、現在はキャンペーン中でそれがかなりパワーアップしています。

1回10分の通話定額を持ちながら、通信速度が自官邸によって遅くならない快適さがあり、キャンペーンによって2年間無料でデータ通信量が2倍になるというメリットがあるY!mobileですが、今ならここに12ヶ月間1,100円の料金割引キャンペーンが更に加わることによって、MVNOの通話定額プランの中でも最安値に近い料金で使えるにも関わらず、各種基本契約内容が優れている契約をすることが出来ます。

これは相当安い料金でしょう。実質0円から1万円のスマホセットがほとんどなので、そちらを契約すればほぼ変わらない料金で使えますし、MVNOのようにSIMだけの契約も出来るようになっているので、SIMフリースマホに利用するのも良いかと思います。

もしも今MVNO格安SIMを音声プランで契約しようとしている場合には、Y!mobileの回線を契約することがちょっと高くはなるものの最も賢い選択だと思われます。それぐらいコストの安さに比べて回線品質の高さが高くなっています。SIMフリースマホはもちろんSIMロック解除したdocomoのスマホでも利用できるために、SIMのみ契約という形も良いと思います。

今使っている格安SIMに不満があるために別のMVNOやMNOへ安く快適に移りたいという考えの人にも良いでしょう。とにかく今音声プランの中では一番優れた回線であると言えます。

MVNOとは異なる性質をもつサブキャリア回線ではありますが、使おうと思っている人はMVNOユーザーと近い趣向を持っていることから、こちらの回線も質の高い格安SIM回線として十分にオススメな回線の一つであり、ぜひ検討してほしいものです。

以上がオススメできる格安SIMとして2つの普通のMVNO+特殊なサブブランドとしての立ち位置のMVNO2つについてをまとめてみました。

この4つなら格安SIMの大きな不満点である速度という部分において、速度低下からの早期回復が見込める、あるいはそもそも速度低下が滅多にないという、長期的に使う上で安心して回線管理を任せられる事業者です。

これらの格安SIMまたはサブキャリア回線なら、不満を感じやすい運用になりがちな格安SIMでもある程度は快適な利用が出来るでしょう。

一応mineoには無料通話オプション、UQ mobileとY!mobileには通話定額コースがあるために料金の節約も兼ねることが出来るため、個人的に満足度の高い格安SIMとしてオススメしたい回線群です。

オススメできないMVNO格安SIM

最後に補足として楽天モバイルについて触れておきましょう。

楽天モバイルについては状況が変わるかもしれないという前提はあるものの、オススメできない格安SIMの一つとして挙げたい回線の一つです。

楽天モバイル

まず速度が悪い

今回のオススメ格安SIMのラインナップを見て、いろいろ調べている人には違和感を覚える内容かもしれません。

それは他のサイト等で「オススメ」とされている楽天モバイルが含まれていないからです。

オススメ格安SIMを紹介する記事や格安SIMサイトのランキング、比較記事などにおいては楽天モバイルが1位として紹介されていることが良くあります。

確かに楽天モバイルは楽天サービスのIDを持っている人には契約しやすいですし、何よりもポイント連携でポイントが貯まりやすく、楽天モバイルの料金が楽天ポイント支払いにも対応するなど利便性は他の格安SIMと比較しても段違いです。

楽天というブランド力も影響して契約の安心感というものがあることでしょう。

ですが実際の運用においてはこの楽天モバイルは現状では積極的にオススメ出来る要素がありません。

その理由は最初の導入でも触れている通り、スピードテストアプリの結果と実効速度の違いが酷いMVNOの一つであるという点が一点、そしてその実効速度がかなり悪いものであるという点のこの2点が問題としてあるからです。

楽天モバイルは通信速度がスピードテストアプリの結果と実効速度で差がかなりある結果を出すMVNOで、「楽天モバイルの通信速度が速い!」という言説には注意を払って捉える必要があります。実際の速度結果は以下の記事で定点観測していますが、1.5MBほどの画像をダウンロードするのにまともな速度が出ない時間帯があるほどの月が見られます。

MVNO格安SIMの速度比較 12月 IIJmio/mineo/楽天モバイル/FREETEL/OCN/BIGLOBE/DMM/UQ mobile他

2017年12月10日

まずこの通信速度のごまかしと遅さは選ぶべきMVNOとして非常に疑問です。オススメとしてはとても言えない通信環境であり企業姿勢です。

ランキング1位は何故なのか

こうした速度面を含み信用できない点のほうが多い事業者ということに楽天モバイルは現時点ではなっているわけですが、それではなぜ楽天モバイルがランキングやオススメ度の上位に位置しているサイトがあるのでしょうか。

この原因は楽天モバイルが高い広告料を投じていることと関係あります。

楽天モバイルは格安SIMの中でもかなり広告に力を入れているMVNOです。イメージキャラクターは本田圭佑ですし、街頭広告でも都内では良く目にします。

かなりの広告費を使っている楽天モバイルですが、その広告費は格安SIMの比較サイトにも影響してきます。各サイトでは格安SIMをそのサイト経由で契約して貰った場合に紹介料というのが1件ごとに手に入れることができるようになっているのですが、この楽天モバイルではその紹介料が非常に高いのです。

具体的な金額は出せませんが、mineoを紹介した場合の4件分、IIJmioを紹介した場合の5.5件分近い紹介料が1件の楽天モバイル紹介で入ってくることになります。

同じような格安SIMでも紹介料がこれだけ違うのです。楽天モバイル1件紹介する労力に比べて、他の格安SIMを勧めた場合には5倍近い獲得がないと、同額の紹介料を得られないということになっています。

この紹介料に大きな差があるために、一部の格安SIMサイトにとっては楽天モバイルを1位にオススメしたほうが少ない紹介数でも手元に入ってくる紹介料が多くなってくるというちょっと残念な事情があります。

本気で楽天モバイルを勧めているところもあるかもしれませんが、先ほども言った通り本気でオススメ出来る部分はポイントがお得に貯められて使える部分ぐらいで、速度やMVNOとしての信頼性などの部分では低速・スピテスブーストという問題が山積みとなっていてとてもじゃないですがオススメとは言えません。

以上のように楽天モバイルを勧める記事はいくつもありますが、その「オススメ」度が高い理由は割とサイト側の収益の都合によって1位にされている可能性が高く、実際の評価としてはスピードテストアプリの結果の異なり方やそれを運用として実施してしまうポリシーの危うさからオススメ度は人気の格安SIMの中でもかなり低めです(現状は、ですが)。

楽天モバイルを当サイトが選ばなかった理由としてはこういった理由があるのでご理解いただければと思います。

今回オススメとしてラインナップに入れた4つの格安SIMの申し込みページは以下から。こちらから利用してもらうと当サイトに幾ばくかの紹介料が入るので、もしも今回の記事が参考になりましたらご利用ください。

また途中でも紹介していますが、別記事もしっかりした格安SIMを選ぶ上で読んで欲しいところなので、参考にしていただければと思います。

MVNO格安SIMの速度比較 12月 IIJmio/mineo/楽天モバイル/FREETEL/OCN/BIGLOBE/DMM/UQ mobile他

2017年12月10日

格安SIMはどれを選べばいいか 速度の他にMVNOとしての信頼性やポリシーを判断材料にすべし

2015年11月19日

8 件のコメント

  • こんにちは。いつも見させてもらっています。

    「mineoは無料通話オプションがあってお得」のような書き方をなさっていますが、実際はIIJmioの方がお得ですよ。

    mineoのHPを見ると、30分の定額オプションが840円、60分の定額オプションが1680円となっています。IIJmioはみおふぉんダイアルを使うと30秒10円ですから、計算すると30分600円、60分1200円です。

    mineoの定額オプションはお得のようですが、実際はオプションを付けずに楽天でんわなどの30秒10円のプレフィックスサービスに入った方がお得なんですよね。mineoがわざわざ定額オプションを付けた意味がよくわかりません。やるならBIGLOBEの60分定額650円くらいにしてほしかったですね。

    • なるほど。プレフィックス通話との正確な時間の比較をしていませんでしたので、その考え方はありませんでした。
      mineoの通話オプションの利点はプレフィックス通話ではない、という点ぐらいになりそうですね。
      全体の文章の流れを見て修正をしてみたいと思います。ご指摘ありがとうございました。

  • 検索でここに訪問しました。
    貴重な情報ありがとうございます。
    IIJは通信規制「3日あたり366MB」があるので私の利用法では難しいですね。
    私は全部OCNですが、たしかに通信は遅いです。ただし、
    セット割引があり、契約ごとに200円割り引かれるので非常に重宝しています。
    通話はガラケーが一番です。
    これからはSIM枚数とデータ容量競争ではないかと思います。
    これはIIJが先行しています。
    Y!mobileがこれについて同等なら乗り換えも考えるのですが。

    • IIJの3日規制は低速側なのでそこまで心配は不要かと思います。
      ただSIM枚数の競争という着目は面白いですね。確かに自分も複数のスマホを使い分けていますが、そうした運用でSIMの枚数が足らなくなるというのは想像しやすい悩みです。
      Y!mobileならシェアオプションでSIMの枚数をデータプランのみですが増やせるので結構要求と合うのではないでしょうか。シェアオプションは契約するスマホプランによってお金がかかってしまいますが良い取り組みだと思います。
      個人的にもシェアオプションでSIMを増やして6GBで使っていますが、正直なところ格安SIM全体よりも快適で使いやすいと感じていますよ。

  • DTI SIMの続報をお伝えします。
    DTI SIMどっちもおトク!キャンペーン3GB(SMS付)で約1ヶ月利用しています。混雑する12時台、20時以降もほぼストレスを感じない通信速度を維持しています。
    出張で大阪市内でも利用しますが、OCN、freetel、wonderlink-Fを利用していた時より快適に利用できています。
    DTI SIMの運営会社は以前は評判がよくなかったようですが、公平性を保つために評価対象に加えて頂けたら、MVNO利用者のメリットになる情報源になるかと思いますので、ご検討をお願いします。
    決してDTIのまわし者ではありませんのであしからず。

    • DTIに関してはキャンペーンが魅力ではあるのでオススメしやすいのですが、まだそこまで長い期間見ていないこともあって候補からは外しています。
      またfreebit系列としてツタヤのスマホへのサポートが甘く、ユーザーからの不満も多く聞こえるために、事業者の姿勢を加味するとちょっと加え入れるのはまだまだ先の話になりそうです。

  • こんにちは。
    わかりやすくて、貴重な情報をありがとうございます。ちょうど今月末でどこもから解約できるので、格安SIMに変わろうと思い、すごく参考になります!
    9月の速度比較記事を読んで、自己調査を見る限り値段も全体的なかなか良さそうだと思ってたNifMoは、ここのおすすめ記事にないのは不思議で、コメントしてみました。IIJとmineoとくらべて、NifMoは何故出てこないのかを知らいたいです。

    • NifMoを入れていない理由としてはあまりユーザーへの情報発信がIIJmioやmineoより少ないこと(例えば速度増強スケジュールなどの不透明さ)や、単純に文字数がこれ以上多くなっても読みづらいから省略した、というのがこの記事内で仲間に入れていない理由です。
      速度のことを重視してみれば速度記事でランキング入りさせているように褒められるMVNOですので、契約しても問題はない格安SIMだと思います。
      今回の記事は速度とはまた別に長く使うことを考えた上でのオススメランキングなのでちょっと評価している項目が異なります。

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