Huaweiのフラグシップモデル『Huawei Mate9』を購入しました。
当初5.5インチ以上のスマホについてはGalaxy Note7をメインに使うことを考えていたのですが、ご存知のようにNote7が爆発しまくったために予定を変更、大画面ファブレット級の持ち歩きスマホは一昨年から使い続けたGalaxy Note5を利用し続ける形になっていました。
ただGalaxy Note5の電池持ちが流石に2年使っていると厳しくなってきたため、何か代替になるスマホはないものかと思っていたところ、日本国内でHuawei Mate9が発売されました。
Huawei Mate9は5.9インチの大画面に加え、4GBもの大容量のRAMを備えてフラグシップモデルにふさわしいハイスペックなSIMフリースマホとして国内では2016年12月に販売されました。しかも非常に高いスペックを備えているにも関わらず、販売価格は6万円台後半というちょっと2万円ほど価格設定を間違えているのではないかというぐらいに安いフラグシップモデルとして販売されています。
ちょうど大きさ的にも求めていたものですし、何よりも価格が本当にお手頃な高コスパなスマホだったので、こちらのHuawei Mate9を購入して1ヶ月ほど使ってきました。
その中で今回は実際に利用してみての動作や、各種便利な機能についてのレビューを行っていこうと思います。もしもこちらのスマホについて興味のある人がいるようでしたら、参考にしていただければと思います。
スペック・動作
まずはスペックを。
AndroidVer | Android 7.0 / Emotion UI 5.0 |
---|---|
CPU | Kirin 960 |
RAM | 4GB |
ROM | 64GB |
ディスプレイサイズ | 5.9インチ |
解像度 | フルHD,1920×1080 |
カメラ画質 | 1200万画素(カラーセンサー)+2000万画素(モノクロセンサー) |
バッテリー | 4000mAh |
重量 | 190g |
SIMカード対応 | nano/nano デュアルSIM |
LTE Band対応 | B1/2/3/4/5/7/8/9/12/17/19/20/25/26/28/29 |
Wi-Fi | Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac準拠(2.4/5.0GHz) |
RAMは4GB。そのためかなりタブを増やしたブラウザと動画関連のアプリなどを続けて呼び出しても動作が重くなったりアプリが落ちるようなことはありません。
SoCはKirin 960。こちらはスナドラ機種に比べると若干アプリ起動時の描写スピードが落ちるのかな、といった印象が使っていて感じます。一部のアプリでは表示に時間がかかっているような挙動があり、素早く起動しても描写・表示が追い付いてない時がたまにあります。そこまでストレスは感じませんが、ちょっと独自CPUの弊害のようなものが出ています。
表示が追い付かない場面が一部のアプリではあるものの、それ以外ではほとんど動作に関しては不満の無い出来となっています。正直このレベルのスマホが7万円を超えないというのは驚異的なコスパのように感じさせます。
ゲーム
Huaweiのスマホの特徴としてはCPUが自社製のKirinを使っているということが挙げられます。これによってコストを抑えながらベンチマークでハイスコアを記録する高性能なスマホを安価に提供できているわけですが、このCPUを利用していることによる弊害もあります。
それは、利用するアプリによっては相性が悪いものが一部出てくる、というものです。
KirinというCPUを使っているのは主にHuawei製のスマートフォンのみとなっているため、アプリ開発側によってはしっかりとした検証環境をもっておらず、最適なチューニングがされていないことがたまにあります。
普通の有名どころのアプリならば特に問題はないのですが、一部のマイナーアプリやゲームアプリなんかだとCPUに対応していないがゆえに解像度が下がったり描写が荒くなってしまう状態に陥る場合があります。
一例としてゲームアプリ「アイドルマスターシンデレラガールズ」の画像を見てもらいましょう。
Kirinと平均的にスマホに使われているスナドラとでは3Dモデリングの表示のされ方が全く違うのが見て取れると思います。
このようにHuawei Mate9は高性能なスマホではあるものの、そのCPUが独自のものということから一部のアプリ(特にゲームアプリが目立つ)で若干他のスマホのようにスムーズに使えなくなる場面があります。
指紋認証スピード
ロック解除には指紋認証も選べます。認証は背面のセンサーにおいて行われます。
こちらの認証スピードは非常に速く、なおかつボタンを押したりする必要もなく触れるだけで可能になるので、高速かつ便利にスマホの利用を開始することが可能になっています。
この指紋認証のスピードはかなり満足度の高い精度かと思います。
デュアルスタンバイ機能
Huawei Mate9の目玉機能の一つに、国内のHuawei機種の中で初めて3G+4GnoデュアルSIMデュアルスタンバイに対応しています。
デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)機能とは、2枚の異なるSIMで音声通話+データ通信という組み合わせで同時に待ち受けすることができる機能です。
例えば1枚のSIMカードをIIJmioの音声通話付帯のプラン、もう1枚をY!mobileのデータプラン回線という組み合わせで持った場合、これまでのデュアルSIMまでの対応スマホだと音声通話だけの待ち受けか、データプランだけの待ち受けかを選ぶしかない運用の仕方しかできませんでした。
デュアルスタンバイでないと、データ通信でネットを楽しんでいる最中に電話がかかってきても、音声側は待ち受けになっていないために電話に気づかないという状態になっていました。そのため、今まではMVNOの格安SIM運用において、音声とデータのプランを1枚のSIMにまとめておかないと利便性が大きく下がってしまうという問題がありました。
デュアルSIMデュアルスタンバイに今回Huawei Mate9が対応したことによって、ネット中ももう1枚の別のSIMの音声着信があってもしっかりと呼び出しされるようになり、音声回線とデータ回線を分けて持てるようになることでMVNO格安SIMだけでなくMNOとの組み合わせ含めて多様な運用が出来るようになりました。
SIMフリースマホの大手メーカーの中ではHuaweiはDSDS機能の搭載が遅れていましたが、このフラグシップモデルにおいてついに対応することとなり、これまで以上に運用に幅が出てきた端末となっています。
より詳しい機能は以下の記事で説明しています。
デュアルAPP機能
Huawei Mate9にはXiaomiスマホや中国製のスマホに最近見られるようになったデュアルAPP機能が搭載されています。
デュアルAPP機能は1つのアプリを複製して、2つ同じアプリを1つのスマホ内にもてる機能です。これを使えば1つのアカウントしか持てないサービス(LINEなど)でサブアカウントを簡単に作ることが出来ます。
Huawei Mate9のデュアルAPP機能は「クローンアプリ」という名前で機能内に含まれています。
こちらを使えばアプリを複製することができるのですが・・・これがXiaomiなどに搭載されているデュアルAPP機能と比べると大きく劣化しており、現状は使い物にならないベータ版レベルの機能性になっています。
まずHuawei Mate9のクローンアプリ機能で複製できるのは「Facebook」と「Messenger」の2つのアプリだけで、恐らく多くの人が複製してみたいであろうLINEなどのアプリは複製対象外となっています。
これでは活用できるシーンというのは非常に限られており、「便利」と呼べるような機能にはならないでしょう。
しかも試しにこの機能をFacebookアプリで使ってみたところ、片方にログインすると片方のログイン状況が解除されてしまうという、わざわざ2つに複製した意味がない挙動になってしまっています。
他社の機能は完全に別の形でアプリを複製しているにも関わらず、Huaweiのはログイン情報が共有されてしまっているような挙動になっているため、この点からもまだまだこの機能が洗練されていないのがわかります。
一部Huawei Mate9のレビューにおいてこの機能を好意的に紹介しているところを見かけましたが、現状まったく使えない機能なので期待するのはやめましょう。
DPI変更もどきができて非常に便利
地味に嬉しいのはその他のHuawei機種でも一部で搭載されているdpiの変更機能です。
こちらは「表示モード」という名前になっていますが、実質的なdpi変更機能もどきになっており、こちらをいじることで画面上の表示がより細かくなったり広くなったりします。
実際にこの「表示モード」をいじった際の表示のされ方を確認してみましょう。
通常は「中」の表示モードになっています。この状態だとwebサイトや各種アプリを見た時の文字やレイアウト全体が大きくなってしまい、Galaxy Note5を使ってきた時よりも表示されている情報量が減ってしまうという問題がありました。ですが「小」という文字などは小さくなるもののそれによって表示される情報量が増えるようにすると、Galaxy Note5と同等の表示領域になり、大画面を有効的に使うことができるようになります。
こちらの機能はコンテンツエリアに基本的に影響してくるため、一部のアプリではこの「表示モード」の変更が機能しないこともあるのですが、それでもブラウザでサイトを見ると1画面内の表示というものが増えていて、大画面スマホとして非常に使いやすくなります。これは個人的にも高く評価できる機能です。
視力保護モード、フローティングボタンなどの機能も
その他の機能としては視力保護モードやフローティングボタンの表示といった機能も用意されています。
視力保護モードはどれほど効果があるのかはわかりませんが、「ブルーライトカット」をソフトウェア内で実施する機能です。
画面全体が黄色くなり、目に悪いとされているブルーライトの影響がないようにしてくれます。
初期設定だと恐ろしく黄色くなってしまうので、設定をするならば寒色よりに設定しなおして使ったほうが慣れやすいかと思います。
フローティングボタンはナビゲーションキーと同等かつその他機能を含んだランチャーを画面の両サイドに表示することが出来ます。
これがあるからといって別にナビゲーションキーが隠れるというわけでもないのですが、画面が大きすぎると感じた人でも片手で使いやすくなることは間違いないでしょう。
LTE Bandの対応とオススメSIM
LTE Bandの対応は次の通りになっています。
Huawei Mate9
LTE Band |
B1/2/3/4/5/7/8/9/12/17/19/20/25/26/28/29 |
---|
これに対してdocomoやau、SoftBank(Y!mobile)網の周波数帯は次の表の通りです。
LTE Band | |
docomo | B1/3/19/21/28 |
au | B1/18/21/26/28 |
Y!mobile | B1/3/8 |
こちらをみてもわかるようにHuawei Mate9はdocomo系とY!mobile系の回線と非常に相性がよいというのがわかります。そのためこれら2つのタイプのSIMからHuawei Mate9で利用する回線を選ぶと良いでしょう。
Y!mobile回線はメインで音声+データ回線を所有しても良いですし、最近契約できるようになったデータSIMプランをサブに持つというやり方どちらもが有効です。
これだけ性能の良いスマホなので、利用する回線もしっかりとした高速回線であることが望ましいでしょう。そこにY!mobileの回線は一つの最適解だと思います。
docomo網に対応した回線だと、最近高速さが目立つLINEモバイルが速度重視ではまず最初の候補になるでしょう。こちらならばSNS系のデータ通信もカウントフリーになるので、そういったサービスを使う人ならさらに便利に利用できます。
速度は一定以上あったほうが良く、それでいて中長期的にその速度を維持してくれる信頼度の高いMVNOを選ぶとなるとIIJmioやmineoらが候補になるでしょう。この2社なら通話定額オプションも揃っている(mineoは3月から)ので、メイン回線としても使いやすいでしょう。どうしても速度が欲しいときには、サブでY!mobileのデータSIM回線を加えればDSDS機能と合わせて便利に使えると思います。
Mate9との回線の組み合わせに迷ったらこれらのMVNOを契約すると良いでしょう。
また最新の通信速度状況などについては次の記事で毎月計測しているので、参考にしてみて下さい。
Huawei Mate9のMVNOセット販売も
また上記のオススメセット以外にもMVNO各社ではHuawei Mate9と自社SIMをセットにして格安スマホとして販売しているところがありますので、そちらを使ってみるのも一つの手でしょう。
Mate9のセット販売では次のMVNOが実際に行っています。
どのMVNOもタイミングによってはキャンペーンでキャッシュバックや値引きといった販売をしていることがあるので、より安いMVNOと一緒に契約しようという場合にはそれぞれチェックしておくと良いでしょう。
特にエキサイトモバイルは在庫が復活してもすぐに売り切れるほどの人気を見せています。
修理受付をY!mobileショップで行える
Huaweiスマホが他のSIMフリースマホよりもサービス関連で優れているポイントとしては、修理受付をしてくれる拠点が非常に多いというところがあります。
Huaweiは元々キャリアへスマホやルーターを降ろしていた実績があるためか、SIMフリースマホの販売が主戦場になった現在でもそのキャリアとのつながりをうまく活かして、Y!mobileの各実店舗上で故障時の修理受付をしてくれます。
普通SIMフリースマホの修理についてはメーカーに問い合わせた上で郵送修理対応となりますが、HuaweiについてはY!mobileショップでメーカー修理の受付をしてくれた上に、代替機の貸し出しまでしてくれるというSIMフリースマホの故障時対応としてはかなり手厚い扱いをしてくれます。
Mate9特有の機能などではありませんが、SIMフリースマホを使う上での弱点をHuaweiスマホならばかなり解消した運用をすることができるようなっているので、継続して使っていく際に安心感をもって利用できるでしょう。
まとめ:一部ゲームアプリを中心に問題はあるものの、それ以外は大満足な高コスパ機種
Huawei Mate9はSImフリースマホとしては高額な部類にはなりますが、実際の中身はキャリアのハイエンドモデルに匹敵するぐらいに各操作が快適なものになっており、6万円台の価格帯というものがむしろ安く感じるレベルの高性能スマホになっています。
価格を考えればほとんどの利用シーンで満足度の高い体感を得られると思うので、多くの人にオススメ出来るSIMフリースマホです。
弱点はゲームアプリで顕著なようにCPUとの相性問題でしょう。こちらは特定のゲームなどをしなければ特に問題にはならないのですが、こうした影響が気になる人には素直には勧められません。無難なSnapdragonを利用したスマホのほうが良いでしょう。
あまり多くのアプリを使わず、普段のスマホ運用をより快適にしたいということであれば、Mate9は最適なSIMフリースマホになるでしょう。
修理受付がY!mobileショップでも対応してくれるようになりましたし、Huawei機初のDSDS機能もついて非常に便利に使えることは間違いありません。
端末性能、便利な機能、性能比で安価な価格、そしてサポート体制もSIMフリースマホの中では突出しているものになっているので、かなりオススメすることのできる大画面スマホです。
結構スマホを購入してきていますが、その中で買ってよかったと思えるスマホはそれほどありません。ですがこのHuawei Mate9は買ってよかったと確かに思えるスマホの一つになっています。
mate9買いました。
gmailのアプリでgmail使ってるんですが、受信が数分になる事が多いんですけど改善策はありますか?
管理人さんはどうですか?
ちなみにyモバイルです。
宜しくお願い致します。
今のところ受信が遅れるようなことはないので、その問題についてはちょっと確認や解決方法というのはわかりかねます。
ただ複数のスマホを使っている中で同様の問題を持った機種は確かにある(ドコモ系無制限プラン利用)ので、Gmailアプリ自体が何かそういう遅れが起きやすいということがあるのかもしれません。
お役に立てなくて申し訳ないです。
mate9を買ったのですが、カロッツェリアのカーナビとwifiテザリング登録すると、端末の状態に表示されているmacアドレスと違うのが登録されます。しかも、スマホでテザリングを切り、また繋ぐと、アドレスが繋ぐ度に変わるので毎回設定しないといけない状態なのですが、これに関して何か直る様な情報はお持ちでしょうか?
因みに、以前使っていたmate7では、端末の状態に表示されているmacアドレスがカーナビに表示されているので自動接続されます。