SoftBankは、これまで10MbpsあたりのMVNO事業者向け接続料が300万円以上していたものを、4月30日の発表資料においてこの金額を大幅に値下げしました。
4月30日の発表資料ではMVNOの接続料金は従来の半額以下、docomoやauに近い提供金額である135万円にまで下がることが判明しています。これによってこれまで接続料の高さから事業者の参入の無かったSoftBank系MVNOというものが、登場してくる可能性がかなり高くなったと言えそうです。
実際の事業の開始まではまだ時間がかかるとは思いますが、ちょっと期待できそうなニュースとなりそうです。
MVNO事業者向け接続料
4月30日時点でのMVNO事業者向けにMNOが設定している10Mbpsあたりの接続料を表にしておきます。
MNO | 接続料(4/30現在) |
---|---|
docomo | 945,059円 |
au | 1,166,191円 |
SoftBank | 1,352,562円 |
今回はSoftBankが大幅に値下げしたわけですが、その値下げ後の金額はdocomoの94万やauの116万に近い料金になっています。docomoやau系のMVNOが900円前後を目安に、データ通信量を3GB付けていることを考えると、SoftBank系のMVNOが始まったとしても900円前後で2GBぐらいのデータ通信量を使える期待を持てそうです。
https://cdn.softbank.jp/corp/set/data/group/sbm/public/mvno/pdf/mvno.pdf
ただ実際にこの価格で事業者がSoftBankの格安SIMを販売しようとした場合、先ほどのPDF内にそのフローが提示されていますが、大体5ヶ月以上はかかるとのことです。というわけで仮に今後事業者がSoftBank系のMVNOを始めようとした場合、その第一報が入ってくるのは2015年10月以降ということになりそうです。
SIMフリースマホはSoftBankが実は強い
SoftBank系のMVNOが始まることで、SoftBankの白ロムを使った通信が出来るという点でも期待が出来ますが、SIMフリースマホでも実はdocomoよりも使い勝手が良くなる可能性があります。というのもSIMフリースマホとして日本で販売されているものの中で、docomo向けにチューニングされていないものは、LTE Bandや3G向けのBandはどちらかというとSoftBankのほうがマッチする場合が多いのです。
例えば最近発売が予定されているZenFone 2は、国内版ではFOMAプラスエリアのBandⅥに対応し、LTE Bandも18と19の国内向けのものが追加されていますが、海外版のモデルだとLTE Bandでdocomoに対応しているのは1と3だけ。しかもLTE Band3は大都市圏でしか使えないまだまだ狭い範囲のものです。ところが海外版のZenFone 2の周波数をSoftBankの対応LTE Bandと照合してみると、LTE Band1,3,8に対応しており、かなり広範囲なエリアで使うことが出来ます。
ZenFone 2を対応周波数から考える auのLTE Band18に対応、docomoならずau系MVNOやSoftBankでも通信可 | 格安スマホ回線研究所
このように海外でSIMフリースマホとして売られているスマホの場合、対応周波数が国内のキャリアだとSoftBankのものに最適化されている場合が多く、日本向けにしっかりチューニングされていなくても快適に使える可能性が高いです。
まだまだ実際にMVNOが登場してくるまでの話は出てきていませんが、今回のMVNO接続料値下げのニュースは今後のSIMフリー環境と合わせて気にしておきたい内容かと思います。ここから半年近くしないと特報的なものは出てこないと思いますが、2015年は正しくSIMフリー元年として大きく市場の状況が変化していくことになるでしょう。
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