ZenFone 2を対応周波数から考える auのLTE Band18に対応、docomoならずau系MVNOやSoftBankでも通信可

次のスマートフォンを格安スマホにしようと検討中の人に最適なスマホの発表がされました。

ZenFone 5でSIMフリースマホとしては異例の好売上げを記録したASUSが、その後継機種としてZenFone 2を5/16日から発売します。

正確には後継機種というよりも上位モデルに位置し、価格が大きく値上がりしています。

このZenFone 2はどちらかというと高性能SIMフリースマホの新たな定番になることでしょう。世界初のRAM:4GBモデルも用意してあり、高いお金を出して長く使えるスマホという立ち位置になるでしょう。

ここではZenFone 2のスペックの中でも、今回特に注目に値する対応周波数についての話に焦点を合わせて解説したいと思います。

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国内版ZenFone 2(ZE551ML)はdocomo/au系MVNOデータ通信に最適化

ZenFone 2は日本国内のモデルは5月16日に発売が始まる予定ですが、現在すでに台湾などで販売が開始されており、エクスパンシスを中心とした海外スマホ輸入サイトにおいて購入することが出来ます。ZenFone 2にはこのすでに発売された海外版とこれから発売される日本版があります。

海外版は日本版に比べて価格が安く、最上位モデルでは1万円以上その差があります。そのため安さを追求したい場合には海外版を販売サイトから輸入購入したほうが安くなります。

ただ日本版では高くなるにはそれ相応の理由があり、対応する周波数帯が日本国内のキャリアにほぼ完璧に対応しているというメリットがあります。これはその他のSIMフリースマホのようにdocomoだけに対応しているというわけではなく、auやSoftbankの周波数にも対応できており、該当する回線契約があればdocomoのMVNO以外でも通信・通話が可能になります。ただしauの場合は、3G回線を使った通話はCDMA2000という規格になるため、可能なのはLTE回線を使ったデータ通信のみです。

zen2

日本版ZenFone 2

日本版のZenFone 2の対応周波数を見てみましょう。

こちらはLTE通信です。

ZenFone 2日本版LTE Band docomo au SoftBank
Band 1  ◯  ◯  ◯
Band 2
Band 3  ◯  ◯
Band 4
Band 5
Band 8  ◯
Band 9
Band 18  ◯
Band 19  ◯
Band 28
 ◯
 ◯  △

最大の特徴は、docomo、au、SoftbankのLTE通信網に対して、それぞれ3つ以上の周波数に対応しているという充実度です。

データ通信のみを考えれば、ほぼ全てのキャリアにおいて広範囲にLTEの高速回線網を利用することが出来ます。

たとえばauのMVNOであるmineoやUQmobileでは、データ通信はLTE回線のみの仕様です。そのためこの回線を使って快適な利用をしたい場合にはauのLTE周波数に2つ以上対応してないと使い物にならないのですが、ZenFone 2では3つのLTE Bandに対応、しかもメインで使われるBand 18に対応することで、docomo系MVNOのみならずau系MVNOでも快適に使える2面性を持っています。

続いては3Gの周波数がこちらです。

ZenFone 2日本版 docomo au SoftBank
Band 1  ◯  ◯
Band 2
Band 5
Band 6  ◯
Band 8  ◯

3Gでの最大の焦点は、Band 6(800MHz帯)に対応している点です。これが何を表すかというと、docomoのFOMAプラスエリアの周波数が使えるということです。FOMAプラスエリアは、田舎の山奥など郊外地での通話や通信をするのに必要になってくるdocomoの周波数帯です。このFOMAプラスエリアを掴むことで、docomoの圏外になりにくいという高いエリアカバー率というのを実感できます。

日本版ではこのFOMAプラスエリアに対応することで、郊外地に住む人でも非キャリアスマホのZenFone 2を安心して使うことが出来るようになっています。

 

海外版

ついでに海外版のLTE Bandについても見てみましょう。

ZenFone 2海外版LTE Band docomo au SoftBank
Band 1  ◯  ◯  ◯
Band 2
Band 3  ◯  ◯
Band 4
Band 5
Band 6
Band 7
Band 8  ◯
Band 20

海外版もLTE対応周波数としてはかなりのカバー率を誇っていますが、おそらくメインで利用することになるdocomoで使い物になるのがBand 1しかないため、MVNOなどで利用するにはあまり適していないかと思われます。Band 3にも対応はしているものの、都市部の一部でしか展開していないため、電波を掴める人というのは少ないと思います。逆にSoftBankの回線ではプラチナバンドとなるBand 8を含めてLTE網のカバー率は高いため、SoftBank系のSIMを持っている人にはいいSIMフリー端末になるかもしれません。

ただし台湾版だとBand 28にも対応しているようですので、こちらならばまだ展開は充分ではないものの、docomo網でも対応エリアは広がります。

3G向けの周波数帯はこちら。

ZenFone 2海外版 docomo au SoftBank
Band 1  ◯  ◯
Band 2
Band 5
Band 8  ◯

FOMAプラスエリアに非対応という弱点があります。海外版はdocomoに対応しているものの、日本版に比べると田舎のほうや秘境的観光地のようなところでは通信・通話不可能になってしまうかもしれません。こちらもSoftBankのほうが適しているという点に変わりは無いようです。

 

まとめ:3キャリアのデータ通信用スマホに適している

日本版のLTE Band対応を見ると、docomo、au、SoftBank全てで広範囲のLTE通信網へと接続可能になります。特に大きいのはauのLTE網にも3つのLTE Bandが対応していることでしょう。

従来のSIMフリースマホではBand 1ぐらいしかauのLTEには対応しておらず、auの回線でLTEデータ通信が可能でも対応エリア的に心許ない存在になっていました。

ですがこのZenFone 2の国内版ならば、LTE Band 18というauのプラチナバンドに対応していますから、これまで以上にデータ通信のエリアが広がり、使い勝手も良くなっています。まだauのMVNOなどのSIMカードで通信確認できていないため、早合点してもいけないのですが、auの回線でもLTEデータ通信がし易いということで、ZenFone 2はキャリアをほぼ問わずにデータ通信を快適に行えるSIMフリースマホになっていると言えます。

 

このZenFone 2をMVNOで使う場合には、個人的にはデータ通信専用にすることをオススメします。ガラケーなどで音声回線を別に持つ2台持ちの内の一つとして持つやり方です。

その理由は、docomoのMVNOでもauのMVNOでも使えるからです。MVNOの速度は日々遅くなったり速くなったりしますので、その時時に速いMVNOへ契約を変えたほうが快適に使えます。ZenFone 2の日本版ならば、docomoでもauでもLTE通信エリアに問題は少ないでしょうから、どちらのタイプのMVNOを選んでも問題ありません。

docomo系のMVNOで使っていて遅く感じたら、au系のMVNOへ契約を変更してみるという非常にフレキシブルな使い方ができるようになります。

このような利点があるため、1万円ほど海外版に比べて高いと言っても、日本版を買うメリットは確実に存在します。多様なキャリアの回線で国内使用できるハイスペックモデルとしてかなり貴重な存在だと思うので、1台持っているだけで格安SIM関連の利用環境が向上することになるでしょう。

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