WiMAX2+と305ZT、無制限Wi-Fiの両者のメリット・デメリットを比較してみた

モバイルWi-Fiルーターで今最も人気で実用的なものは何でしょうか。

最近は大容量のMVNO格安SIMも登場しており、モバイルWi-Fiルーターの選択肢は大きく広がりつつあります。

ただ格安SIMを使ったモバイルWi-Fiルーターでは一部の無制限プランを除いて全て容量に限りがありますし、無制限プランだと速度がほとんどでないという問題点があります。せっかくのモバイルWi-Fiルーターなのですから、スマートフォンだけでなくパソコンなど多様な機器に繋げて高速で規制のない通信環境で使いたいものです。

こうした要求を満たしてくれるのが、現状ではWiMAX2+とY!mobileの305ZTによる無制限通信ルーターかと思います。どちらもデータ通信量の上限を一部使い方が制約されるものの気にすることなく使い放題になっています。3日1GB規制もその他の格安SIMやキャリア回線ルーターなどに比べても緩い条件になるため、モバイルWi-Fiルーターとしてはとても使いやすい種類になっています。

ルーター運用をしようと考えた場合、この2つが恐らく最初に購入の検討すべきルーターのタイプかと思います。そこでこの2種類のルーター方式で契約出来る回線の、それぞれのメリット・デメリットを解説したいと思います。同じ無制限通信が出来るルーターでも、特色が全く異なります。

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どちらも高速で無制限回線

まずこの2種類の回線は、どちらも非常に高速な通信速度を出せるということが特徴としてあります。格安SIMでは到底出せないような速度を出せますので、Wi-Fi運用・ルーター運用を主とする場合は、MVNO格安SIMをルーターに入れて使うというやり方よりもすごく快適に使えます。

ただ速くて無制限ではあるものの、その速さが通じるエリア内のみという問題や無制限で使うには制約のある使い方をしなければいけないという点は知っておかなければいけません。こういったデメリットについてをこの後の解説の中ではっきりさせておきましょう。

 

WiMAX2+

デメリット:エリアが狭い、移動中・建物内部や高層階に弱い

WiMAX2+のデメリットは電波の入るところが少ないという点です。

元々電波の入るエリアが狭く、現在旧WiMAXの基地局を徐々に閉鎖して減らしている最中であるため、接続可能なエリアというのが想像以上に狭いです。駅前、そして交通の便がしっかりしている住宅地などではふつうに電波も入るものの、それ以外の場所では圏外になってしまうことも珍しくありません。都内などではある程度山に囲まれた環境でも問題ありませんが、少し地方へ出ると使いにくくなってしまうでしょう。

またWiMAX2は電波の仕様のため、移動中の通信にはめっぽう弱いという点もデメリットとしてあります。電車通勤をしている間にWiMAXで通信しようと考えている人は、かなり厳しい通信環境になることを覚悟しないといけないでしょう。

そして建物の内部や高層階でも電波が入りにくいので、オフィスの場所や教室の場所によっては圏外になってしまう可能性が多々あります。これも電波の周波数が高い故に起きてしまう問題です。これらの問題はWiMAXを使う上では逃れられない問題ですので選ぶ時にしっかり把握しておきましょう。

 

デメリット:au 4G LTE回線を使うと7GB制限、2015年から3日1GB制限の「可能性」

WiMAX2+はWiMAXのように無条件での無制限回線になっているわけではありません。無制限の通信は条件付きです。ここではその条件の内容を解説します。

まず無制限の一つの無条件は、2年契約を結んでいることです。2年契約をする事で本来は制限の入るWiMAX2が2年間だけ無制限になります。2年後には解約金が無料になるため、そのタイミングで解約してしまえばこの制限はかかりません。

もう一つは、au 4GLTE回線で通信してしまった場合は制限がかかります。WiMAX2+の契約には3つの通信が可能になっています。それはWiMAXとWiMAX2、au 4GLTEの3つです。この内2年契約中はWiMAXとWiMAX2は無制限で使う事が出来ますが、au 4GLTEで通信をしてそこで7GB以上使うと、WiMAX2+の契約全体に規制がかかってしまいます。これを避けるにはau 4GLTEで通信しないようにする事です。これはルーター側で使わないように設定出来るので、通信前にこの設定をしておくと無制限のプランだけで使う事が出来ます。

そして2015年3月から、必ずというわけではないのですが、3日間の総データ通信量が1GB以上に達した場合、通信速度を遅くする可能性があるとしています。ただしこれは必ずかかるものではなく、トラフィックが多い時に通信量が多いユーザーを規制する「可能性がある」というだけで、厳密な速度制限内容になるわけではありません。

 

メリット:とにかく速く、キャッシュバック契約もできるモバイルWi-Fi契約

ただこれだけのデメリットがあるWiMAX2+ですが、この後解説する305ZTと違って何もイジらなくても無制限で通信できるモバイル回線であるため、使いやすさの高い回線です。しかも速さは常に高速で通信中はストレスゼロで使い続けることが出来ます。

月額料金は契約するプロバイダによって違いますが、大体3500円~2700円ほどの料金になります。この内3500円前後の契約の場合はキャッシュバックやタブレットなどの特典が追加されます。この特典選択によって、場合によっては通常の解約金とは別にタブレット代が解約金に加算される契約があるので注意が必要です。

こうしたキャッシュバック系の契約で、解約金も増えないところということでオススメなのは@niftyのWiMAX2+契約でしょう。キャッシュバック15000円の特典が選べます。タブレットが貰える契約は解約金が増えるので危険ですが、キャッシュバック契約ならばキャッシュバックが来るまで6ヶ月近くかかるものの、解約金は1年目19000円、2年目14000円、25ヶ月目は0円という通常のWiMAX2+の解約金と同じです。

GMOなどはもう少しキャッシュバックが多い時もありますが、解約のしやすさは@niftyのほうが圧倒的に利便性があるため、解約時のことも考えるとこのSo-netのWiMAX2+がいいでしょう。端末はNAD11かHWD15ならばそれほど不具合もなく安心して使えます。HWD14はやめておきましょう。

@nifty お得なキャッシュバックキャンペーン

 

Pocket WiFi 305ZT

デメリット:2年間のキャンペーン適用対象契約のみ無制限

305ZTはWiMAX2+という通信規格ではなく、Y!mobileの一つのWi-Fiルーターに過ぎないのですが、この契約も条件を満たすことによってAXGPの高速通信規格での無制限通信をすることが出来ます。

ただその条件というのが、WiMAX2+のように2年間限定、それもキャンペーン期間中に契約した場合のみです。今305ZTでされている「CA対応Pocket WiFi使い放題キャンペーン」というキャンペーンによって2年間の無制限回線が出来上がるため、このキャンペーンが有効なうちに契約しないといけません。キャンペーン適用外だと、月7GBのデータ通信量制限があります。

 

デメリット:厳密には追加データ無料

そしてこのキャンペーンで無制限になる305ZTですが、厳密には無制限ではありません。無制限になる仕組みは、追加データが無料になるためその追加を繰り返すことで実質無制限の契約という形をとっています。

この追加データは自動では追加されず、毎回手動で追加しなければいけません。追加量は500MBからですので、5GB連続で使うまでに10回のデータチャージを手動で行わなければいけません。これで実質無制限という形になりますが、毎回チャージする面倒な問題が生まれてしまいます。この追加チャージが必要で、それを手動で行わなければいけない煩わしさはデメリットと言えるでしょう。

 

メリット:エリアが広く高速、そして安いモバイルWi-Fiルーター

305ZTはこのようにWiMAX2+と比べると、無制限で通信するためには何度も解除操作をしなければいけないというストレスが時にかかる作業をしないといけないデメリットがあります。

ですがWiMAX2+に比べると電車の移動時の安定感、そして郊外でも圏外になりにくい広めのエリアでWiMAX2+同等の高速通信が出来るというメリットがあります。通勤時やオフィス内でも利用したい場合は、WiMAX2+よりも通信できる可能性は高いと言えるのがこの305ZT回線です。

そしてこの305ZTは、WiMAX2+に比べて毎月の料金も解約金もWiMAX2+に比べて安いというメリットがあります。毎月の支払は一括で本体代を購入した場合は2241円、解約金も10260円という安さです。

問題は一括で本体代金を支払うという点です。42000円する305ZT本体を一括で支払うには、特価で販売している携帯ショップを探して購入する必要があります。土日の関西方面なら42000円が一括0円という特価で売っていることもあるので、最安で買うなら関西の方はそういったお店を探すのがいいでしょう。それ以外の方はネットで一括4980円という安さで販売しているショップがあるのでそちらで一括契約すれば2241円で毎月使えて、2年以内の解約にかかる解約金も10260円で済みます。

100円PC市場

 

まとめ:どちらも高速かつ安いが万能さでは305ZT、繋がれば快適なWiMAX2+

WiMAX2+とY!mobile回線の305ZTの差としては、エリアの広さが大きくあります。速度的にはどちらも30Mbps近く計測し、固定回線の代替として使うことの出来る快適さです。ただエリアではSoftBankのAXGPエリアも使える305ZTのほうがより快適に使うことが出来ます。

電波エリアの広さや移動中でも繋がる万能さを持っているのはY!mobileの305ZTかもしれません。

一方で常に無制限で使えるのはWiMAX2+です。305ZTでは7GBを超えての通信は500MBを達成する毎に毎回追加チャージの必要があり、煩わしさがあります。

どちらもモバイル回線にしては驚異的な速度を無制限に使えるという大きなメリットがありますが、一長一短と呼べるデメリットも双方の回線で存在しています。ただこれだけのデメリットこそありますが、どちらも意識付けをすれば苦にはなりにくい性質のものですので、Wi-Fi・ルーター運用をしようと考えている場合にはまず最初に選ぶべき回線となる2つだと思います。

次の記事ではこのそれぞれの無制限モバイルWi-Fiルーターの特徴を活かしたWi-Fi・ルーター運用のコツを紹介しようと思いますので、是非次の記事も御覧ください。

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