シャープがMVNO向けに新たなSIMフリースマホを発表しました。型番はSH-M02となります。
前作のMVNOモデル「SH-M01」はdocomoで発売されたモデル「SH-01F」のマイナーチェンジ版です。今作も同様にベースモデルがあり、docomoの夏モデルとして提供されたSH-04Gがベースとなっています。
AQUOS EVER SH-04Gはキャリアモデルには珍しいミッドレンジ帯のスペックと価格設定だったスマホで、「ドコモの格安スマホ」と位置付けられたスマートフォンです。スペック的にMVNOとセットにすれば売れるのではないか?と言われていましたが、見事に今回それが実現することになりました。
キャリアモデルの中では既にSHARP製スマホとしてはお馴染みですが、SIMフリーとしては初の狭額縁・EDGESTデザインを採用しています。更にSIMフリースマホ市場では海外製のスマホが溢れる中、防水とおサイフケータイという国内での需要の高い諸機能を揃えてきています。
Android Ver | 5.0 |
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チップセット | Snapdragon 400 |
ROM | 16GB |
RAM | 2GB |
ディスプレイサイズ | 5インチ |
解像度 | 1280×720(HD) |
重さ | 145g |
メインカメラ | 1200万画素 |
カラー | ホワイト、レッド |
スペック等は完全にdocomoのAQUOS EVER SH-04Gを踏襲しています。Snapdragon 400という廉価モデル向けのチップセットを使いながらも2GBのRAMを使っているため、SH-04Gの実機は値段の割にかなりサクサクと動きます。これがモデルとなっているということで、SH-M02でも同様に快適な操作性を見せてくれることが期待できます。
AQUOS SH-M02の価格
SIMフリースマホとしては防水やおサイフケータイ対応、そしてキャリアモデルと変わらないデザイン性を踏襲した今回のシャープのスマホは期待値の高いものになると思いますが、問題は価格です。docomo版ではスペックの割に一括価格が5万円ちょっとを超え、若干高額さを感じさせましたが、月々サポートによる割引込みで考えた場合にはまさに「ドコモの格安スマホ」的位置づけになりました。
この割引込みで安かった価格を、どうMVNO向けの市場に合わせて落とし込んでいくかが注目されます。
ですが前回のSH-M01でわかるようにSIMフリースマホと言って格安スマホ的な価格設定をしないシャープなので、今回のSH-M02でもその傾向が伺えます。
通常販売価格
SH-M02には2種類+派生モデルの1種類の価格が今のところ公表されています。
まず一つ目は端末本体のみの販売予定価格というものがあります。
こちらの予定価格では47800円(税込み51624円)という非常に高価な金額がつけられています。主にビックカメラやヨドバシカメラでの販売価格はこの価格が予定されています。
この予定価格は正直高いと言わざるを得ません。いくら国産メーカーで修理対応などに期待が持てる、防水・おサイフケータイを機能として備えていると言っても、S400がチップセットのスマホです。良くて3万円+防水分の3000円〜6000円ぐらいが相場でしょう。
この価格があればハイエンドモデルのSIMフリースマホやテザリングは出来なくなるもののハイスペックなdocomoの白ロムも購入出来てしまいます。購入する価値というのはこの価格では中々見出しにくいスマホです。
NTTレゾナント特別価格
ただ同時にもう一つ、特別に安い価格で買えるSH-M02も用意されています。
それがgooスマホとしてOCNモバイルONEのSIMカードとのセットで発売される「gooのスマホ g04」SH-M02モデルです。
こちらなら本来の定価よりも安い38800円(税込み41904円)で購入することが出来ます。OCNモバイルONEとのセットですが、こちらは開通義務が生じないため、単純にgoo simsellerから購入することでスマホ単体が通常の小売店価格よりも大幅に値下げされるということになります。
goo SimSellerはこちら
この価格ならば、まだちょっと高いとは言え、割りと妥当な金額にまで落ちてきているように感じます。国内メーカーの保証対応付きということを考えれば、安心感込みでこの価格での購入も納得できる人もいるでしょう。特に早い段階でSIMフリースマホにのりかえた人は、海外メーカーの対応の悪さを身に染みているでしょうから、対応が良ければこの値段でも良いというのもあるでしょう。
SH-M02は現状の価格では、g04として販売されている形態でしか安く感じられるものがありません。その安さも単純なスペックで比較すると他のSIMフリースマホより割高で、サービスや機能の付加価値込みで見ないとSH-M02の価格相応の魅力はありません。
スペック重視なら海外メーカー製を、防水・おサイフ・サポートに魅力を感じるようならばg04として購入する形は良いでしょう。
派生モデルとしてエヴァスマホも登場
またこのSH-M02をベースにした限定販売モデルが用意されています。アニメ「エヴァンゲリオン」とコラボレーションした「エヴァスマホ」をの販売が予定されています。
「エヴァケータイ・スマホ」はこれまで通りシャープ製のスマホを利用した形になりましたが、今回はdocomoからの発売ではなくSIMフリーかつセブンイレブンからの発売となりました。
ファンとしては関連グッズとして日々使うスマートフォン自体がグッズ化されるのはうれしいことかと思いますが、従来のdocomoから発売された「エヴァケータイ・スマホ」と比べると、今回のモデルは若干満足度が気になる仕様になっています。ソフトウェアの部分で「エヴァスマホ」としてのクオリティを追及してきた過去のNERVスマホSH-06Dに比べると、今回のSH-M02-EVAはソフトウェア面での独自チューニングがウィジェットやアプリアイコン、そしてダウンロードコンテンツぐらいのものになっており、外見もシャープロゴそのままな部分があったり、自分で作れそうな背面・側面カバーデザインなどクオリティが気になる部分が目立ちます。
NERVケータイ・スマホの「作中で職員が使っている」という設定の元作られたクオリティと比較すると、今回の「エヴァスマホ」はあくまでもファンスマホ的な位置づけになるようです。
そして最大の問題はファンスマホ的なクオリティにも関わらず、価格が78000円(税込み84200円)もするという点です。先にSH-M02のスペックと価格の妥当なラインについて説明したように、このスマホは3万+3000~6000円ぐらいが相場としては相応しいもので、とても8万円近く出す価値のあるスペックではありません。「エヴァスマホ」としてのクオリティが高ければその金額に見合うかもしれませんが、今回のデザイン性がそこまでの域に達しているかといえば微妙なものでしょう。
ファン向けの商品に価格の問題を語るのはズレている価値観かもしれませんが、スペック比では普通のスマホとして困難のある価格ということを確認しておきましょう。発売がかなり先ということも影響し、このスペックでは普通に使うにしても長い期間はメイン端末として維持できるか微妙な点も考えておきましょう。
また現在公開されている「エヴァスマホ」のハンズオン動画を見る限り、調整がうまくいっていないのかSH-04Gの動きと比べて同じスマホとは思えないくらいのガクガク動作が見て取れるため、ちょっと色々と不安なスマホになっています。
SH-M02の「エヴァスマホ」モデルを購入予定の場合は、価格や動作の問題等をよく考えてからにしましょう。
今後恐らくSH-M02は各MVNOとのセット販売がされることでしょうから、その中で何かお得になるセットが出てくるようでしたら紹介したいと思います。
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