今、KDDIのau LTE網を使ったMVNOサービスが、APN構成プロファイルを深く設定することによって、今まで不可能だったiOS8のiPhone・iPadでの通信が可能になるという方法が話題になっています。
この方法は、IIJが発掘したKDDI網を使ったMVNOでの接続方法を、ユーザーが独自にmineoやUQ mobile向けに調整し現在配布しています。こちらのblogramというサイトを運営している方です。
こちらの方が調整したプロファイルを元に、現在多くのmineoおよびUQ mobileユーザーが動作報告をしており、iPhone 5や5s、5c、iPadといった機種でもiOS8以降のバージョンで動作確認がとれているようです。かなりこのAPNプロファイルは効果的なようで、iOS8のどのバージョンでもau回線を使ったMVNOでも動作が可能なようです。
さて、このユーザーの方が作ってくれたauのMVNO向けのAPNですが、私もiPhone 6を使ってUQ mobileの無制限プランで使ってみました。その動作確認報告をここではしてみたいと思います。
UQ mobile無制限プランでの接続状況
もちろんですがUQ mobileでもこのプロファイルを使っての通信が可能です。使っているiPhoneはiPhone 6です。iOS 8.4でデベロップ版を除けば最新のバージョンでの運用になります。UQ mobileは無制限のプランに音声契約も一応付けているものになります。
さてこの回線でどれだけ使えそうなのかという点について検証していきたいと思います。
アンテナ強度がau本回線よりも低い
私はauの回線も持っていて一応それもiPhoneでは使えるのですが、このauの純回線と比べるとアンテナピクトの本数が少なく表示されます。デシベル表示が出せないため実際の強度は不明ですが、アンテナピクトの少なさはひと目でわかります。
IIJの検証ではauのMVNOではデータ通信が安定していないとの報告がありますが、このアンテナピクトが少なく表示されることと関係のある動きかもしれません。
通信速度が若干低下
このアンテナピクトの表示について正確さはわかりませんが、それを裏付けることになるかもしれない挙動として、この方法で使っているUQ mobileの回線は、今までかなり快適に使えていたのと正反対で、結構遅い通信速度になってしまっています。
Androidで使っていると、youtubeでも低画質なら余裕で再生可能、LINE MusicやテザリングでのApple Musicも余裕で使えていたのですが、iPhone経由だと通常500kbps以上が余裕で出るこのUQ mobile無制限SIMも、400kbps前後の少しストレスを感じる通信速度にまで落ちてしまいます。
iPhone、iOS機種でau系MVNOを使うのならば、UQ mobileの無制限回線はあまりお勧めできません。これなら普通に1Mbps以上は出してくれるであろう通常プランを使った方がいいです。
通信の安定度についてはIIJのブログで「不安定」とされていますが、何が「不安定」なのかはわかりません。速度の出にくさが不安定ならばその通りだと思います。これがもしも接続が不安定ということでしたら、私の環境では感じられませんでした。繋がりやすさ、連続通信の安定度など、かなりしっかりしているのが感じられ、公式の推奨するAPNプロファイルでないとは言え、接続自体は非常に快適でした。
音声通話可能も、SMSは出来ない・・・
そしてこのUQ mobile回線はちょっと諸事情で音声契約を追加しています。IIJのブログにもあるように、IIJの法人KDDI回線では音声も3G経由で出来たとあるように、今回のUQモバイルの無制限SIMでも3G網での通話が出来ました。なので公式な使い方ではないので不安は残るものの、通話にも対応しているAPNの設定になるようです。
ただしVolteオプションも一応出現させているのですが、こちらはUQモバイルでは有効になりませんでした。そしてSMSも送受信できないのを確認しました。UQモバイルのSMSはmineoよりも柔軟性のある接続が出来たと思ったのですが、残念ながらこちらも使えないので、やはりAndroidに比べると使い勝手が悪くなります。
テザリングも不可
テザリングもSMS同様に出来ませんでした。iOS8ではdocomo回線のMVNOならテザリング出来ていましたが、auの場合にはもっと複雑になっているようで今回のAPNプロファイルでは不可能です。
こちらもAndroidのほうが使いやすさは上です。au系MVNOとauの白ロムは、docomoの白ロムのようにテザリングをAPNの切り替えで制御しているということはありませんから、何もせずにテザリングが出来ます。残念ながらiPhoneおよびiPadではそのメリットが失われているということになるでしょう。
まぁ通信できるだけでも朗報すぎる朗報なので文句を言うほどではないですが、フル機能が使えるわけではないということは理解しておいてください。
とりあえず以上が短時間ですけどもUQモバイルを特別なAPN構成プロファイルを使ってiPhoneで通信させた時の使い勝手になります。私個人は無制限SIMをAndroidで使うことはお勧めしますが、iPhoneで使うことはお勧めしません。出来るだけUQモバイルかmineoの通常プランで使うようにしましょう。そのほうが速度低下を感じずに使うことが出来るでしょう。
こちらの結果のようにどちらも多少の速度低下が起きても通常のプランは余裕で気持ちのよい速度を出すMVNOなので、こちらのほうが安心して使えると思います。
白ロムはこれから高くなると予想、iPhone5c,5s,6のau版は早めに確保推奨
というわけでauのMVNOでもiOS機種を使うことが出来るようになったことで、これからau版のiPhoneを購入しようと予定している人も多いと思います。そこで購入に関しての注意点をここでは解説しましょう。
au版のiPhoneを買う場合、購入するのは必ずiPhone 5cか5s以上のモデルにしましょう。これはauのLTE網に対応しているBand数が多いからです。今auのiPhoneとして安くなっているiPhone 4Sと5については、4SはLTEに非対応なのでそもそもLTEしかつながらないauMVNOでは通信不可、そしてiPhone 5についてはLTE Bandの対応数がわずかに1つしかありません。
そのためiPhone 5でauMVNO回線を使ったとして、移動したらすぐに圏外になってしまう可能性があります。auのiPhone 5は、このLTE Bandの対応数の少なさで「●」問題が発生して長期間炎上した経緯があるいわくつきの機種です。au本家なら3Gでもつながりますが、MVNOだとLTEしか繋がらないため、au本家が炎上した時よりも悲惨な回線網で使う必要があります。こういうわけでiPhone 5と4Sは買わないようにしましょう。
一番の狙い目はau版iPhone 5cです。これならiOS機種として比較的安いです。今では再評価されていますが、やはり人気が出なかったモデルですし、これまでMVNOでも使えなかったので白ロム相場がかなり安くなっています。コストパフォーマンス重視でiOSの機種を買うならば、iPhone 5cがiPhoneシリーズの白ロムの中ではかなりお買い得な相場です。
iPhone 5sと6については、予算と好みによって考えるといいでしょう。ただ5sは6と違って白ロム相場が早いうちに高くなる可能性があります。MVNOで使えて5万円以下で買える機種もあるだけでに、予算さえ合えば安い買い物になる可能性もあります。
あとはiPhoneだと怪しいルートから白ロムを調達してくるような店もあるため、交換対応などをしてくれるショップでの購入をお勧めしています。店舗ももっていて1ヶ月以上の保証のあるイオシスやじゃんぱらが多少は高くても安心できる買い物になるのではないでしょうか。新品白ロムでなくても中古白ロムならiPhone5cを25,000円ぐらいで買えるので、iPhoneと格安SIMの運用を行いたかった人には安くていい組み合わせを保証付で購入することができるでしょう。
https://iosys.co.jp/とりあえずau版のiPhoneはこれから値上がりが一気にしてくると思うので、iPhone 5c以降の機種を狙ってよいものを購入するようにしましょう。
なおiPhone 5s/5cでは通信状態が安定しないとの報告がmineoの公式ブログで案内されました。ですが同じブログ内にてユーザーの検証によって「iOS9 Public Beta Profile」を構成プロファイル内に併設することで4G LTE通信が安定するという報告が出てきています。これによってiPhone 5s/5cでもau系MVNOの利用が快適に出来るようになっています。
iPhone5s で使ってます。
841に上げたら4Gで安定するようになりました。
UQ mobile+iPhone5+メッセージアプリでSMS送受信に成功!
やり方
①設定→モバイルデータ通信→4Gをオンにするのチェックを外す
②Wi-Fi、Bluetoothをオフにする
これでUQモバイルの通話回線(3G)のみが接続状態となる
③設定→メッセージ件名欄を表示のチェックを外す
④メッセージアプリを立ち上げ宛先に番号、メッセージを入れ送信する。
最初の数回失敗することがありますが試してみてください
誤記訂正
UQ mobile+iPhone5+メッセージアプリでSMS送受信に成功!
やり方
①設定→モバイルデータ通信→4Gをオンにするのチェックを外す
②Wi-Fi、Bluetoothをオフにする
これでUQモバイルの通話回線(3G)のみが接続状態となる
③設定→メッセージ→件名欄を表示のチェックを外す
④メッセージアプリを立ち上げ宛先に番号、メッセージを入れ送信する。
最初の数回失敗することがありますが試してみてください
面白い情報ありがとうございます。
これを発見するというのもすごいですね。SMSできると使い勝手も広がりそうで、結構すごい発見だと思います。
auのiPhone6を使っているのですが、SIMフリーに対応してなくても、UQモバイルのサービスを使えるのでしょうか?
一応今のところは非公式で使えはします。
ですが今後iOS10等にバージョンアップした際に使えなくなるなどの問題が発生するため、自己責任の内で使ってください。